今日の試合はシコースキーに感謝をしなければなりません。
もしシコースキーが打たれていたら、それこそ暴動が起きるぐらいのスタンドの雰囲気でした。
井上コーチがマウンドに向かった時点で騒然となり、聞くに堪えないものも含めた野次が飛び交い、バレンタイン監督がベンチから姿を見せた時点でブーイングの嵐となりました。
このブーイングは次に投げるシコースキーには気の毒ではありましたが、ブーイングをしたくなる気持ちは痛いほど分かります。
勝ちゲームでありながらもスッキリとしたところがあまりないのは、この最終回のブーイングを聞いてしまったからかもしれません。
結局のところは昨日も指摘をしたように、行き当たりばったりにしか見えない継投に多くのファンがうんざりとしているということなのでしょう。
もちろん中継ぎ、抑えが打ち込まれて好投をしていた先発が白星を奪われたケースが多いために、先発に最後まで任せるべきとの意も多く含まれたブーイングだったとは思います。
しかし「変なとこで代えんじゃねーよ」という野次に代表をされるように、キレの悪い継投に憤慨をしていたファンも多かったようです。
今日も最終回のマウンドに成瀬を送り出しながらも先頭打者が出塁をしたところで交代ですから、迷采配との指摘は免れません。
中途半端なところで代えられる成瀬は面白くないでしょうし、ピンチでの登板となるシコースキーも辛い出番となります。
ここまでのピッチングを評価するのであれば最後まで成瀬に投げさせるべきであり、守護神に任せるのであればスッパリと回の頭からシコースキーを投入すべきであり、球数から言えばシコースキーの投入は間違っているとは思いませんが、今日のようなやり方が両者にとっては一番不幸な形での継投です。
ヒーローインタビューで「気持ちは落ち着きましたか」と言われていた成瀬は、もしかしたらベンチで悔し涙でも流していたのかもしれません。
その成瀬は降板をした際のスタンドからの大きな拍手を聞けば分かるとおり、7勝目を見事なピッチングで飾りました。
見事とは言っても高めの伸びのあるストレートで空振りを取りまくったわけではなく、また外角低めへのチェンジアップが効果的に決まっていたわけでもありませんでした。
しかし膝元へのストレートがコントロールを出来ていたために抜いた変化球が有効で、緩急を使った地味ではありながらも堅実な投球内容でした。
空振りを多く取って三振の山を築くというピッチングも見応えがありますが、今日のような内容の方が相手にとってはダメージが残るものだと思います。
完投ができなかったことを悔しがっていた成瀬が、同じ悔しさを共有する小野とチーム最多勝争いをする終盤戦になるのではないかと、そんな期待が持てる今日のピッチングでした。
打のヒーローはベニーで、貴重な決勝点を叩き出しました。
あそこでヒットが出なければずるずるといっていたと思われただけに、久しぶりの効果的なタイムリーでした。
このベニーは難しい選手で、外国人選手としては5本塁打と物足りない長打力ではありながらも、打率は.275と密かな存在感があります。
しかし好不調の波が激しいのと、里崎と双璧のちんたら走りはレッドカードものですし、守備は怖くてDHでしか起用ができないというのも問題です。
その成績を考えればバーナムJr.やランビンとは同列に語ることはできませんが、ほぼ来季の残留はないことを考えればムニスとの入れ替えも考えたくなります。
周りに気配りができる選手であり、スタッフなど何らかの形でチームに残って欲しいと思えるようなキャラクターでもあるのですが、選手としては微妙な立場にあるだけに、今日のヒーローを花道にと思ってしまう自分がいます。
いつもの「これから暑くなるとベニー選手の季節ですね」といったフレーズが聞かれなかったことが、一つの時代の終わりを物語っているのかもしれません。
1点リードの6回にサブローの放ったセンターへの打球がフェンス直撃のツーベースになったことを、貴重な3点目のホームランにならなかったことを悔しがる一方で、どこかホッとした気分になっていたロッテファンも意外に多かったのではないかと思います。
まさか本人もそうだとは思いませんが、次の打者の平凡な内野ゴロで三塁に走ってアウトになった姿にはやる気が見られず、ちょっと腹立たしい気分になりました。
せっかく今年は打撃が好調なだけに、守走に手を抜かなければ三拍子揃った選手としての評価が上がるのにと、そんなもどかしい気持ちにもなっています。
もっと躍動感のあるプレーを、サブローには見せてもらいたいです。
ところで初代オリオンズのユニフォームに身をまとったオールドユニフォームシリーズは、今日の試合で終わりとなります。
次の6連戦もそうだとばかり思っていたのですが、ロッテにしては珍しく商機を限定したようです。
個人的にはこのユニフォームの時代は記憶がないだけにもう少し見てみたかったというのが正直なところで、またこういったイベントは来季以降も続けてもらいたいと思います。
ちなみにこのユニフォームは川崎球場とは無関係ですが、例によって場外では川崎球場名物の肉うどんが売られていました。
しかし川崎球場と言えば魚肉ハムが入った中華そばであり、広島風お好み焼きというのが私のノスタルジーです。
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