小林宏に続いて渡辺俊も、8月にして10敗目を喫しました。
ローテーションの投手が2人もこういった状態ではチームが浮上をするはずもなく、2人合わせて16の借金がそのままチームの借金という現実が、今年の先発陣を象徴しています。
打線の援護がなかった、惜しいピッチングだったと言うには、ここまで積み上げてきた敗戦が重くのしかかる渡辺俊です。
カーブ、シンカーを多投して必死な投球だったとは思いますが、正念場で踏みとどまれないのはこれまでと同様で、結局は「好投はしても大事なところで打たれる」というものでした。
4回に同点に追いつかれた後の無死満塁のピンチを凌ぎきり、次の回のピンチも防いで流れを再び引き戻しつつあった中で、6回の二死から打たれた嶋のホームランは油断と言われても仕方がなく、こういった詰めの甘さが今年の渡辺俊の特徴です。
気を緩めているわけでもないのでしょうが、そもそも被打率が高いのですから、こういったポカは致命的な失点に繋がることが多くなります。
そういう意味では小野と同様に味方が先制をして気持ちに余裕がある中で投げるのが渡辺俊にとっては一番のシチュエーションなのですが、今日はそれでもダメだったわけですから、さらに悩みは深くなります。
その渡辺俊の足を引っぱった根元のエラーは、しかしながら例によって「悪いのは根元ではない」と言いたくなります。
小坂の三塁よりはマシですが、それでもスローイングに難のある根元を三塁に起用をすることには反対ですし、それが根元を追い詰める結果になることを心配しています。
それこそイップスになりかねないぐらいに深刻な事態に陥るかもしれませんし、春先の紅白戦でいきなり外野を守ったときには「イメージができない」と書いた私ですら、また早坂や角中、神戸や岡田といった左の外野手が多い状況ではありながらも、根元の外野転向を真剣に考えなければならなくなるかもしれないような、そんな今の根元だと思います。
根元としては二塁じゃなきゃ嫌だと言っていられる立場ではないのですが、やはりその将来を考えれば二塁で起用をしたいと、そう考えています。
打線は相手が田中ですから2点を先制できたのが上出来で、しかもチャンスを潰した直後の連弾ですから大きなダメージを与えたはずだったのですが、後が続きませんでした。
立ち上がりの田中を助けた2度のバント失敗は早坂と根元の未熟さと、そして準備不足を露呈していますが、バントをさせないぐらいに田中が凄かったと思うべきなのか、2軍でもまともにバントを練習してこなかったツケが出ただけなのか、きっと後者なのだと思います。
打線らしい打線を組んで、バントすべきところできっちりとバントのサインを出した今日のベンチの采配は及第点ですが、残念ながれこれまでやってきた野球のツケが出てしまったと、失敗に対して厳しい指導は必要ながらも責めることはできないだろうと、そう思っています。
もちろんだからと言って早坂や根元に言い分があるはずもなく、今の立場を考えればしっかりと小技を練習してくださいと、そうお願いをするしかありません。
相手が相手だっただけに相性がよくても不利な初戦を落としたのは想定外ではないのですが、しかしながら明日の木谷に負けるわけにはいきません。
こちらは2009年のエースを目指すサタデー小野ですし、明日については相性どおりの横綱相撲を見せてもらいたいものです。
そして明後日に唐川の久しぶりの勝利で勝ち越す道筋を作るような、そんな明日に期待をします。
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