電脳筆写『 心超臨界 』

憎しみを鎮めるのは憎しみではない
愛のみによって鎮まるのだ
それが永遠のルールである
( お釈迦さま )

不都合な真実 歴史編 《 皇国史観と表裏一体の藤原史観――井沢元彦 》

2024-04-22 | 04-歴史・文化・社会
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日本は平安時代以降鎌倉時代まで、「藤原王国」であった。だから藤原氏に対して反旗をひるがえしたり異を唱えたりした人は、すべて「悪人」にされたのである。天皇に対する忠誠が有るか無いかで歴史上の人物(事件)を判定するやり方を皇国史観といい、この史観は江戸時代中期から戦前(昭和20年以前)まで全盛を極め、今はまったく省(かえり)みられなくなった。それはいいのだが、実は皇国史観と表裏一体をなす「藤原史観」というものがあり、現在ですらその史観に影響されている人々が大勢いる。


◆皇国史観と表裏一体の藤原史観――井沢元彦

『逆説の日本史3 古代言霊編』
( 井沢元彦、 小学館 (1998/4/1)、p101 )

天皇制が存続することによって、最も大きな利益を受ける集団とは何か。

それは当の天皇家よりもむしろ藤原氏である。

では、なぜ、そうなのか。

それは、藤原氏という集団が天皇家に、そして日本にとりついた「寄生虫」だからだ。

こういうと、ある人は眉をひそめ、またある人はあまりにも突飛(とっぴ)だと言うかもしれない。

大多数の反応は、それはあまりにも言い過ぎだ――といったところだろう。

しかし、これは断じて言い過ぎではない。「寄生虫」というのは極めて的確な比喩(たとえ)なのである。

それをこれから実証しよう。

その前に断っておきたい。では、これまでどうして藤原氏が「寄生虫」だということが、認識されなかったのか。

それは歴史家の罪でもあるが、同時に藤原氏がその事実を隠すことに懸命につとめたからである。日本は平安時代以降鎌倉時代まで、「藤原王国」であった。だから藤原氏に対して反旗をひるがえしたり異を唱えたりした人は、すべて「悪人」にされたのである。天皇に対する忠誠が有るか無いかで歴史上の人物(事件)を判定するやり方を皇国史観といい、この史観は江戸時代中期から戦前(昭和20年以前)まで全盛を極め、今はまったく省(かえり)みられなくなった。それはいいのだが、実は皇国史観と表裏一体をなす「藤原史観」というものがあり、現在ですらその史観に影響されている人々が大勢いる。

近世以前、特に江戸時代以前の歴史家には、すべて藤原氏の息がかかっているといっても過言ではない。当時、政府の最高首脳である摂政(せっしょう)・関白(かんぱく)はそのすべてが藤原氏だ。知識階級と公家社会というものが完全に一体化している時代に、歴史を書く者が藤原摂関政治の批判を書けるわけがない。人物評程度のことはしても、彼等の体制を根本から批判することはできないのだ。そんなことをしたら、「大悪人」とされ、社会から抹殺されてしまう。だからいわゆる「正史」や、知識階級(=公家社会)によって書かれた『大鏡』や『愚管抄(ぐかんしょう)』だけでは、決して歴史の真相はわからないのである。

その典型的な例が平将門(たいらのまさかど)(?~940)である。日本三大悪人(道鏡、将門、足利尊氏)の一人として、この「道鏡と称徳女帝編」の冒頭に紹介しておいたが、実は将門がどうしてあそこまで悪く言われたかというと、彼の起こした反乱が「天皇への反逆」というよりも、むしろ「藤原摂関体制への反逆」だったからだ。

要するに、藤原氏に反逆し、その体制をゆり動かそうとしたからこそ、後世の「藤原びいき」の歴史家によって、「大悪人」に仕立てあげられてしまったのだ。

将門のやったことは悪くない。形式論で言えば、当時の法律(律令)に違反したわけだから違法行為だが、そんなことを言い出したら織田信長も坂本龍馬も全部「犯罪者」になってしまう。歴史上の行為は、その必然性の有無によって判断すべきだ。
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