電脳筆写『 心超臨界 』

他者の働きによるのではなく
自ら他者に尽くすことにより成功をつかめ
( H・ジャクソン・ブラウン Jr. )

「安心感」醸成こそ中東派遣の意義――伊藤俊幸さん

2020-01-17 | 04-歴史・文化・社会
 「東京裁判史観(自虐史観)を廃して本来の日本を取り戻そう!」
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「安心感」醸成こそ中東派遣の意義――伊藤俊幸・金沢工業大学/虎ノ門大学院教授
【「正論」産経新聞 R02(2020).01.17 】

1月10日、中東情勢の緊張が高まる中、河野太郎防衛相は護衛艦1隻と哨戒機2機の中東派遣を命令した。11日に日本を出発した哨戒機は、今月20日から情報収集にあたり、護衛艦は来月2日に日本を出航する。年明け早々から起きた米国とイランによる一連の武力行使に世間が騒然とする中、ぶれることなく中東派遣を決断した日本政府に敬意を表する。

◆自衛隊の活動範囲は公海上

命令では自衛隊の活動海域を、「オマーン湾」「北緯12度より北側のアラビア海北部」「バベルマンデブ海峡東側のアデン湾」の公海とされた。

哨戒機は、現在海賊対処活動のアフリカ東部のジブチに派遣される。活動範囲は哨戒機の航続距離の関係から、今回新たに命ぜられ、また海賊対策の活動海域でもあるアデン湾が中心になるだろう。

護衛艦は、去年6月、日本関連タンカーが攻撃を受けたオマーン湾の公海部分及び、日本関係船舶が頻繁に通航するアラビア海北部の公海で活動することが効果的だ。つまり哨戒機と護衛艦で、示された活動範囲を東西ですみ分け活動することになるだろう。

一方、今回の活動範囲にホルムズ海峡やペルシャ湾は含まれていない。河野防衛相は「(ホルムズ海峡付近は)イランやオマーンの領海が非常に多く、沿岸国が航行の安全の責任を持つことが現在の旗国主義である。領海の中での情報収集活動は無害通航権と相いれない可能性がある」と説明した。

しかし昨年7月、英国タンカーがイラン革命防衛隊に拿捕(だほ)された場所は、オマーン領海内だ。ホルムズ海峡最狭部は「分離通行帯」を通航する義務があり、それは全てオマーン領海内にある。英国タンカーは、北上し「分離通行帯」に入る前に①漁船と衝突し、②革命防衛隊の通信を無視し、③分離通行帯左側の出口側から侵入しようとしたため拿捕されたという。その間革命防衛隊は、英国海軍艦艇と交信をしていたが当該艦艇はホルムズ海峡西側にいたため現場に急行できずタンカーを守れなかった。当然自衛隊はこういった事例を研究していると思うが、オマーン領海内での活動は視野に入れておく必要がある。

◆自衛隊が対応できること

今回の派遣は防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて行われるため商船の護衛はできない。しかし何者かに襲撃されるなど不測の事態が生じた場合、部隊は防衛相に報告し、「海上警備行動」を下令してもらうことになる。「海上警備行動」が発令されれば「LRAD」という拡声器を使う警告や針路妨害ができるようになり、憲法で禁じられる「武力の行使」に至らない範囲で警告射撃などの「武器の使用」が認められる。

ただ商船の保護は船籍を登録している国が行う原則があるため、日本人が乗船し、日本の会社が運航している外国船籍船、いわゆる「便宜置籍船」に対しては、「武器を使用」した護衛などは不可能だ。「便宜置籍船」が攻撃を受けているのを発見した場合は、一義的には「沿岸国」や「船籍を登録している国」に通報することになるが、LRADで警告するなどの人道的措置は可能である。LRADは音響兵器ともいわれ、その指向性と大出力により、海賊やテロリストを撃退できる能力がある。

また筆者の経験上、こういった海外派遣の場合、部隊の安全確保のため関係各国の防衛駐在官などから情報を集めている。さらに不測の事態に備えた図上訓練などを行い、あらゆるケーススタディーを通じて指揮官以下の能力向上を図ってから派遣する。

◆安全確保は国家の役割

2001年の中枢同時テロ以降米国は、テロやテロ支援組織などによる「アメリカ人に対する切迫した危険に対し「先制的軍事手段」を取ると明言、ブッシュ・ドクトリンといわれた。対するイランは未(いま)だに「目には目を」の報復を平気で行う国だ。どちらの行動も国際法違反ともいえるため、今回多くの国々は静観した。互いにピンポイント攻撃という抑制した行動をとっているものの、「やられたらやりかえす」という姿勢がある限り、中東の不安定さは継続する。その不安定な海域に、日本の経済活動を支える石油タンカーは常時運航している。民間商船の安全確保こそ国家の役割である。

昨年末に閣議決定した際は、「どうせ何も起こらない」といった安易な意見が政府周辺から漏れ聞こえていた。日本船主協会からの依頼もないのに、米国とイラン双方の顔を立てるため、安全な海域にわざわざ自衛隊を派遣するという政治的意図が透けてみえた。

だが軍事行動がとられたことで今後不安定化する地域であることが顕在化した。だからこそ自衛隊を派遣する真の意義が生まれた。「頼りにされている」この気持ちだけで自衛官の士気は上がる。「何かあればすぐに駆け付けてくれる」。日本関連船舶に「安心感を与える」ため近くに「プレゼンス」する。これが護衛艦や哨戒機が派遣される本来的意義なのだ。

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