電脳筆写『 心超臨界 』

影は光があるおかげで生まれる
( ジョン・ゲイ )

不都合な真実 歴史編 《 ヤルタ会談は史上最大の過ち――江崎道朗 》

2024-08-31 | 05-真相・背景・経緯
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2005年5月7日、ブッシュ大統領はラトビアの首都リガで演説し、1945年2月のヤルタ会談での米英ソ3ヵ国合意について、「安定のため小国の自由を犠牲にした試みは反対に欧州を分断し不安定をもたらす結果を招いた」と言明し、「史上最大の過ちの一つ」だと強く非難したのです。


◆ヤルタ会談は史上最大の過ち

『日本は誰と戦ったのか』
( 江崎道朗、ベストセラーズ (2017/11/25)、p283 )

アメリカは一枚岩ではなく、ルーズヴェルトとスターリンの責任を追及する反共保守派がアメリカに存在している――この厳然たる事実を私が明確に理解したのは、2005年のことでした。

2005年5月7日、ブッシュ大統領はラトビアの首都リガで演説し、1945年2月のヤルタ会談での米英ソ3ヵ国合意について、「安定のため小国の自由を犠牲にした試みは反対に欧州を分断し不安定をもたらす結果を招いた」と言明し、「史上最大の過ちの一つ」だと強く非難したのです。

米ソ主導の戦後の国際秩序を定めた「ヤルタ会談」をこともあろうに、アメリカ大統領自身が批判するとはどういうことなのだろうか。驚いた私はインターネットを使ってこのブッシュ演説についてのニュースや論説を調べたところ、アメリカ最大の保守系オピニオン・サイト「タウン・ホール」に、「草の根保守」のリーダー、フィリス・シュラ―フリー女史が2005年5月16日付で「ブッシュ大統領、ヤルタの屈辱を晴らす(Bush buries the shame of Yalta)」と題して次のような論説を書いていたことを知ったのです(https://townhall.com/columnists/phyllisschlafly/2005/05/16/bush-buries-the-the-shame-of-yalta-n760118)。

  ジョージ・W・ブッシュ大統領、ありがとう、時期がだいぶ遅れた
  とはいえ、誤った歴史を見直して、フランクリン・D・ルーズヴェ
  ルト大統領の悲劇的な間違いのひとつを指摘し、よくぞ謝罪の意を
  表明してくれました。

  去る5月7日、ラトビアにおいて演説したブッシュ大統領は、大国
  同士の談合によって、多くの小国の自由を売り飛ばしたヤルタ協定
  は誤りだったと言明しました。ブッシュ大統領は「中央ヨーロッパ
  と東ヨーロッパの数百万人を囚われの身」に貶めたヤルタ協定を的
  確に非難し、「歴史上、最も大きな誤りのうちの一つとして記憶さ
  れるであろう」と述べました。

  この発言がなされるまで50年の歳月が経過しましたが、ブッシュ
  の発言は、「ヤルタ協定の負の遺産が最終的に今後永遠に葬り去ら
  れた」ことを確認したことになります。(『コミンテルンとルーズ
  ヴェルトの時限爆弾』150頁)

シュラ―フリー女史はさらに、この協定によって我々アメリカ人は現在、中国の共産主義帝国の台頭と北朝鮮の核開発に苦しまなければならなくなったとして、次のように訴えているのです。

  ルーズヴェルトの擁護者は、スターリンを日本との戦いに引き込む
  ためにはこれらの譲歩が必要だった、と正当化しようとしました。
  ヤルタ文書は、その主張が間違っていたということを証明していま
  す。例えば、ヤルタ会談の3ヶ月半前、アバレル・ハリマン駐ソ大
  使は、ルーズヴェルトに対して「太平洋戦争に単に参加するだけで
  はなく、全面的に対日戦争に参戦するという完全な同意をスターリ
  ンから得ている」ことを伝えています。

  ロシアは太平洋戦争に必要ありませんでした。そして、ロシアの参
  戦は、中国と北朝鮮における共産主義帝国構築への道を開くことに
  なったのです。ソ連の参戦は、1950年代の朝鮮戦争と、今日の
  北朝鮮共産主義の独裁者の息子による核兵器の恫喝を招いたのです。
  (同、150~151頁)
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