電脳筆写『 心超臨界 』

現存する良品はすべて創造力の産物である
( ジョン・スチュアート・ミル )

こころの一冊 《 「おしゃれがしたいビントゥ」――後藤啓子 》

2024-06-29 | 06-愛・家族・幸福
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  人生は良書だと思う
  深く入り込めば入るほどより豊かな意味が見えてくる
  ( ハロルド・S・クシュナー )
  I think of life as a good book. The further you get into it,
  the more it begins to make sense.
  ( Harold S. Kushner, American rabbi, 1935- )


ビントゥは、西アフリカのセネガルの女の子です。彼女は髪の毛が短くちりちりで、おだんごが四つついているコーンロウという髪形をしていました。大人のように、長い三つ編みの毛先に金色のコインや貝殻をつけておしゃれがしたくてたまりません。でも大人たちは、まだ小さいからと取り合ってくれません。


「おしゃれがしたいビントゥ」
【 シルヴィアン・A・ディウフ・文、シェーン・W・エヴァンス・絵、さくまゆみこ・訳、アートン新社 】

セネガル少女の三つ編みへの思い――かいだんぶんこ・後藤啓子
(「こころの一冊」08.08.08日経新聞(夕刊))

ある日、幼稚園年中の女の子が、かかとの高い銀色のサンダルを履いて来ました。彼女が歩くたびに、大きすぎる履物特有の「カッタ、カッタ」という音がします。その様子がほほ笑ましくて「○○ちゃんのおしゃれサンダルすてきね」と言うと、いつもはあまり自分から話さない子が、満足げに多弁になりました。

こんなおさない子を見ると、子供は一体、幾つぐらいからおしゃれ心が出てくるのか知りたくなります。

ビントゥは、西アフリカのセネガルの女の子です。彼女は髪の毛が短くちりちりで、おだんごが四つついているコーンロウという髪形をしていました。大人のように、長い三つ編みの毛先に金色のコインや貝殻をつけておしゃれがしたくてたまりません。でも大人たちは、まだ小さいからと取り合ってくれません。

ある日、この間生まれた弟に会いにおばあちゃんがやって来たので、どうして大人のように三つ編みの髪形にしてはいけないのか聞いてみました。すると、おばあちゃんはこんな話をしてくれました。

昔、おしゃれのことしか考えていない小さな女の子がいた。皆がきれいだと言うので、おしゃれ以外何もしなくなってしまった。友達をつくったり遊んだりするのが大事な時期なのに。そこでお母さんたちが三つ編みは小さな子にはまだ早いと決め、その子も大きくなるまでコーンロウで我慢することになった、と。

「大きくなったら精いっぱいおしゃれをしたらいいさ」と、おばあちゃんは言いました。それでもビントゥの気持ちは治まりません。ところが弟の「名づけ」の日、ビントゥの髪形が生きる出来事が起きます。

舞台のセネガルはかつて王国であり、ラクダの隊商による交易で発展しました。19世紀から1960年の独立まではフランス領でした。9割以上がイスラム教徒の国です。

アフリカの土の色とその土地に生きる人々の輝く視線が心に残る絵本です。
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