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レコーディングからカッティングまで>南沙織「Cynthia Street」

2021年05月17日 | 昭和歌謡・アイドル歌謡

 
 「Cynthia Street」は、南沙織さんの通算11枚目のアルバムで1975年6月の発売。これを買ったのは忘れもしない同年の8月。どこでかというと、コンサート会場でした。当時私は小6で、生まれて初めて行ったコンサートは南沙織さんなのでした。

 特に兄がファンだったのですが私も好きで、当時は「人恋しくて」がヒット中でしたが、シンシアが金沢にコンサートで来ることになり、我々があんまり騒ぐので母がチケットを取ってくれたのでした。

 コンサート会場では物販が色々あってすごく刺激的だったのですが、何しろ小学生でお金持ってなかったので「ふ~ん」と眺めてただけ。が、兄がそこで当時最新アルバムだったこの「Cynthia Street」を買ったのでした。

 ちなみにこのLPの帯の言葉は「素晴らしいMUSIC PEOPLEと沙織(シンシア)との出逢い そして生まれた素晴らしいアルバム カリフォルニア・ロスアンゼルスで録音からカッティングまでのすべてを!!」というもの。

 色々LPが並んでる中、シングル曲がまったく入ってないこれを買ったことについては「えっ!」と思ったのですが、兄によると「『録音からカッティングまでのすべてを』というのが気になった。」のだとか。で、私は「カッティングって、なに?」と聞いたところ、兄は「…いや、知らん。」ですって(笑)

 で、当時小6でまだ一般男性以下の私としては乏しい想像力を働かせて「もしや、録音スタート! はい、オッケー!」てなやりとりが入ってるのではないかと思ったのですね。が、そんなはずはなく(当たり前)、LAで録音したマスターテープを日本に持って帰ってきて作業するのではなく、現地でカッティングまでしたということなのですね。小学生が理解できるわけはないのですが、バカでした。

 そういうレコードですが、何がどうかというと幼稚園の頃に買って貰ったポータブルのレコードプレーヤーで聞くと、1曲目の「20才の立場」という曲のイントロの最後でコーラスとホーンセクションとドラムが盛り上がるところで毎回必ず針が飛んで、ちょうど1小節分省略されていきなり歌になるのでした。

 一般男性以下の小6としては、なんか変だとは思いながら「ふむ、そんなもんか」と思ってたのたのですが、茶の間にあったモジュラーステレオで聞くとあら不思議。ちゃんと全部聞けるので「あら、こういうイントロだったのか」と分かった次第。

 あれがいわゆるレベル高くカッティングされてるという事だったのでしょうか。大人というか、一般男性となった今では針圧とかそういうことを考えるのですが、あんなこともあるのですね。ちなみにそれまで持ってたレコードでは、プレーヤーでまともに再生できないものはありませんでした。LAでのレコーディング&カッティング恐るべしです。

 なお、この「Cynthia Street」というアルバムは、小学生には「う~む…」という感じだったのですが。30代も半ばになってからあらためて聞くと凄く気に入りました。ご覧の通りCDも買ったくらい。A面は筒美京平先生の作曲で安井かずみさんの日本語詞ですが、B面はあちらの方の作曲で歌詞も全部英語。ミュージシャンやエンジニアも全部あちらの方なので、ドラムとかベースとかの感じが完全に洋楽のレコードの音になってるので「凄いなあ」と。

 ただ、もしこの時に兄がこの何枚か前のアルバム「ひとかけらの純情」を選択していたら、私の人生も変わったのではないかと思うのですが、その話はまた別の機会に。

 いや、それにしてもレコードの世界は奥が深いですね。針圧だのなんだの考えるのは面倒なので、私はやっぱりCD派です。


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