山田太一作品は一時期集中して読んだもので、「岸辺のアルバム」「丘の上の向日葵」「沿線地図」「飛ぶ夢をしばらく見ない」「異人たちとの夏」など、それこそ一気に読みました。ちなみにドラマで見たのではなく、小説で読みました。
今回見たドラマは「旅の途中で」という単発ドラマ。あらすじは以下の通り。
主人公は床屋の夫婦。自分勝手で浮気もしているらしい旦那(奥田瑛二)に腹を立てた妻(竹下景子)がプチ家出。喫茶店で手帳に愚痴を書き散らかしていたところ、初老の穏やかな口調の紳士(山本學)に話しかけられ、やや警戒しながらも不思議に話が弾む。その数日後、床屋にこの紳士が現れて「色恋は抜きにして1日だけ奥さんを100万円で貸して欲しい」と言い出します。この紳士の目論見は? 竹下景子はワッチコンされてしまうのか? そう言われて奥田瑛二はどうする? というのがドラマの焦点なわけで、なかなか魅力的でした。
私もいろいろ見ましたので山田太一先生が変態なのはよく存じ上げておりますから(失礼)、否が応でも期待が高まり番組冒頭からつかみはOK。一度見始めたら最後まで一気に見てしまいました。
このドラマは脚本もいいですが、それぞれのキャストが他の人では絶対代わりがいないと思えるほどはまってます。特に竹下景子の、適度に綺麗で、ほどよくくたびれてて(こちらも失礼…)、色気が無いわけじゃないけど湿っぽくもないという空気感が特にバッチリでした。
結局ワッチコンがあったのか無いのか、初老の紳士はいい人なのか極悪人なのか、何か事件は起こるのか、というのは皆さん是非自分の目でお確かめ下さい。私はTBSチャンネル2で見ました。が、来月は放送予定ないような…。