昨日、自然農法の野菜を販売しているナチュラルハーモニーさんからのメルマガで
「号外!今、「遺伝子組み換え作物」の栽培と食品使用が承認されようとしています」という件名、そして「今日のテーマは:遺伝子組み換えに対して意見すべし!」といった何だかおどろおどろしいメールが流れてきました。
ナチュラルハーモニーというのは、有機農産物もNGというかなりニッチなマーケットをいくグループです。
薬は飲むべきではない、自然じゃないものはいらない、、、といったことを提唱し、昔から自然農法をやっている農家さんとつきあってきたところです。
主義をお持ちという面があるということは、逆に言えばそれ以外は認めないというスタンスをとられているわけで、自然農法以外はだめ、という主張が強いので、とっつきにくい面もあります。
さて、そこのメルマガは登録しているのですが、今回はそこで「遺伝子組み換え作物」が日本でもOKになるよ、というメルマガがきたわけです。
一昨日は、携帯電話の話をラジオで聞き、昨日は遺伝子組み換えの話が舞い込んできました。放射能しかり、そういった情報が明るみに出る時期、タイミングになっているのかな?
まっ、そんな思いをもちつつ、私は遺伝子組み換え作物導入には反対なので、この問題に関心がある人のために、私なりの情報共有しますね。
まず、遺伝子組み換えが日本でも扱うよう申請しているのは、外資系の種子メーカーです。
農林水産省のHPに添付してあるPDFを見ると、申請しているのは「日本モンサント」「ダウケミカル」「シンジェンタジャパン」の3社です。
なので、当然ですが海外=アメリカからの政治的&利権からの圧力の一環なわけですね。
こられの会社が「一定の使用規定」を守れば、遺伝子組み換え作物OKにしてよ、という申請をしてきたわけです。
一定の使用規定っていうのは、遺伝子組み換えのトウモロコシなどを植えている畑は、他ときちんと区別する、そこに入ったトラクターなどは他では使わない、みたいな内容です。
まあ、つまり「きちんとするから認めてね」みたいな話で、それできちんと非遺伝子組み換え作物に影響が極めて少ない、と農林水産省は結論を「科学的」に出してしまっています。
最初が肝心で、1つOKが出れば、それを「慣用」とするのがお役所です。今後なだれ式にOKにならないよう、ストップした方が私は良いと思います。
原発問題があったので、必要なら個人でも主張をしていこう、というスタンスで生きようと決めたので、今回は1国民として反対の姿勢をとろうと思います。
さて、遺伝子組み換えに関して事前に知っておくべきことがあります。
世の中の食品の多くはメジャーと言われているところが牛耳っているのですが、特にトウモロコシ、大豆、菜種、綿といったあたりは、大手が種と農薬をセットで牛耳っているわけです。
まあ、興味がある人は知っていても、普通は関心が無いと思いますので、説明しますと、一番有名なアメリカの
モンサント社は、遺伝子組み換え種で世界を牛耳っています。
世の中の一部と同様、私も「まさに悪の権化」だと思っていますが、一番有名な話でいうと、ラウンドアップという除草剤とそのラウンドアップの毒には耐毒性を持つ遺伝子組み換え種子をセットで農家に売りつけ、その後は、自分の所の種子を買い続けるように「自分の所で出来た作物から種をとったら契約違反だよ」といった契約を農家と結ぶなど行っています。
ちょっと前にはターミネーター種=自殺する種、次の子孫となる種がきちんと実らないように、つまり農家が種を自家採取できないように遺伝子組み換えした種を作って、種はとにかく自分の所から買い続けさせようとする仕組みを作り、その種を販売しようと思ったが、さすがに反対運動にあって、今は販売できていない、という状態です。
ちなみに日本の農家でもラウンドアップは超有名な農薬ですし、私の知り合いの無農薬無科学肥料農家さんもかつてはラウンドアップが過去大量に使っていました。
で、日本の食糧は海外のとうもろこしや大豆や菜種に依存しています。
油は大豆や菜種からとりますが、ほぼ海外産です。海外産のほとんどが遺伝子組み換えです。
大豆などは遺伝子組み換えを日本人は嫌うので、日本のメーカーは、外国の一部の農家と契約栽培で非遺伝子組み換えの大豆を作って、それを原料としているので、まだまだなんとかなっています。数年前、某大手味噌メーカーの専務と話をした時「日本人は遺伝子組み換えが嫌いだから、苦労している」と言っていました。
ただ、大豆は世界的に見れば、ほぼ遺伝子組み換えです。
小麦はほぼ海外産です。北海道産はまだ一部使われていますが、海外産と比べたらいかんせん、コストがあいませんからね。
そして、家畜の飼料(とうもろこしなど)もほぼ海外産です。
食卓にのる食べ物の半分以上は国産ですが、油や肉や小麦はほぼ海外に依存していますし、国産肉といっても、1頭育てるための飼料はほぼ海外から輸入したものですから、油や肉は海外依存になっています。結局、海外のとうもろこしや大豆などの飼料にいきつくわけです。
輸入作物は、モノカルチャーで、大豆なら大豆だけ、小麦なら小麦だけをバ~っと植えています。私もマレーシアでパームオイルを作るパームヤシのプランテーションを見たことがありますが、凄いですよ。見渡す限りパームヤシの木しか生えていないんです。地平線の向こうまで。車で30分、ひたすら走ってもパームヤシしかない。。。異常な世界です。で、20~30年たって、良い実がならなくなったら、森中燃やしちゃうんです。。。そしてまた植える。
アジア・アフリカなどの土地を搾取して、安価に生産した穀物を世界には安値で売りさばき、巨額の富や帝国を築き上げてきたモンサントや穀物商社(メジャー)のカーギル社、彼らが世界市場を支配しています。相場も自由に操れる存在です。なぜなら彼らがアメリカ国と一緒になってマーケットを作ってきたからです。「グローバリゼーション」という名の下に。
モンサントやカーギルが手を組んで、世界中の食料を操れる存在になっていること自体が、「世界独占禁止法」みたいなことを作って問題にすればいいじゃないか、と思ってしまいます。まあ、相手がアメリカなので、日本もどうしても及び腰になります。
さあ、そこで問題です。
原発と同じで、大人の私達は、将来がある子供達のためにどういった選択をするか?
モンサントやカーギルとかの悪行を知っていれば、それだけで、彼らがしようとすることは感情的にNOと言いたくなります。
産業革命後のアジアが欧米に支配されていったように、戦後、モンサントやカーギルによって食料供給地として植民地のような状態にされているインドなどの各国の現状を知ると、それに加担してきたこと(=安い大手メーカーのものを買ってきたこと)を個人的に反省します。
日本で頑張っている農家さんがたくさんいる中、自分では「農家にはなれないな。。。だって食っていけないもん」と思うほど、農家さんは儲かりません。だからこそ、そんな農家さんを買い支えるべきで、国産を買うべきですし、安いものを買うぐらいなら、あえて買わないという選択肢、あるいは、自分で作る、という選択肢を選ぶ道を少しでも近づきたいと思います。
そんな思いを持っている私は、更に「効率優先」「海外の穀物メジャーのやりたいようにやらせる」のは、気に食わないです。
「遺伝子組み換えも、安全性が確保されているなら、まっ、いいか」と見過ごすべきか?
『「一定の使用規定」を守れば、遺伝子組み換え作物は問題ない』と、農林水産省は「科学的」に結論づけています。
これはまるで
「原発は安全だっていうし、まあ電気が安定的に供給されるためには必要だから、まっ、いいか」という判断と同じ?
携帯電話も「安全」と言っていたのを、WHOが「やっぱり少しだけどリスクあった」と言い始めました。携帯が普及してから何年たったのでしょうね。。。このWHOの発表に対して、日本は「基本的には安全ということには変わらない」と改めて発表してますけど。
今まで、この類の話は本や新聞などで見ても「まったく、海外勢はひでえな~」と思って終わりだったんですが。。。
やっぱり原発問題のことを考えると、気になる社会問題に意見を持たなくては、という思いになりました。
今回は、メルマガで情報が来たし、「農林水産省のパブリックコメント」に一人でも多く意見を言って欲しい、と書いてあったので、力が無い個人ですが、子供達の将来を選択する責任をおっている大人の一人として、意見を投稿しようと思います。
パブリックコメント
以下、メルマガに書いてあったことの抜粋。
ちなみに、私はナチュラルハーモニーさんのやっていることは良いことだと思いますが、応援はしていませんので。
有機農業で頑張っている農家さんやその野菜を「否定」「批判」「排除」する姿勢は好きではありませんから。。。
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遺伝子組換え食品の表示は、国によって違っています。
EUでは、全食品表示が義務付けられています。
スーパーなどに並んでいる全食品はもちろん、レストランのメニューまで表示義務あります。
表示方法は、遺伝子組換え作物の使用が「有り」と「無し」の2種類。
無表示は遺伝子組換え作物の使用無しを意味します。
EUでは遺伝子組換え作物はほとんど流通していないので、
ほとんどの商品は無表示です。
日本では、ダイズ・トウモロコシ・ナタネ・ジャガイモ・綿実の5品種と、
これらの作物を主な原材料とする30種の
加工食品(豆腐・納豆・みそ・きな粉・コーンスナック菓子・ポップコーンなど)に表示義務があります。
ただし、醤油・ダイズ油・コーン油・コーンフレーク・マッシュポテトなどは、
検出技術の問題や製造過程によるタンパク分解を理由に表示義務はありません。
表示方法は、
1.「遺伝子組換え」(義務表示)
2.「遺伝子組換え不分別」(義務表示)
3.「遺伝子組換えでない」(表示義務なし)の3種類です。
「豆腐」と「コーン油」を例に日本の表示の問題点を考えてみましょう。
「豆腐」は表示義務がありますから、無表示の場合は「遺伝子組換えでない」と同じ意味になります。
ところが、「コーン油」は表示義務がありませんから、
無表示の実態は「遺伝子組換え」または「遺伝子組換え不分別」の意味になります。
実際、大手の食用油製造メーカーへのアンケートでは、
回答の100%が「遺伝子組換え不分別」だったといいます。
つまり、表示義務のある30品目を知らなければ、
消費者にとって無表示の意味は全く逆になってしまうのです。
また、「遺伝子組換えでない」の表示でも、
重量で5%未満の遺伝子組換え作物の混入は許されています。
実際、米国から輸入される遺伝子組換え未使用ダイズでも約1%の混入があります。
ちなみに、EUでは混入率は0.9%未満と規定されています。
米国でも、訴訟が起こっています。
某ファーストフード大手のM社も反対しているのです。
みなさんは、どう思われるでしょうか。
もうすでに行動されている方もあるかと思います。
もし、まだならば、ぜひとも、
賛成だろうと反対だろうと、あなたの意見を伝えてみませんか。
少なくとも、表示の義務を完全に履行するように伝えるべきだと思っています。
子供の屋外活動制限の放射線量年間20マイクロシーベルトを基準とするという国の発表も、
反対運動で国が基準を1マイクロシーベルト以下に目標を設定した実例もあります。
あなたの意見で、今回の件が否決される可能性もあると思います。
というよりも、私たちの意に反して行われる政治があるとしたら
それは一体だれのためのものなのでしょうか!
わが子や孫や子孫が毒にさらされていて、
私たちは、仕方がないとうなずくほど、薄情な国民だったのでしょうか。
国や愛するものを守るために命を賭した先人に
少しはならいたいと思っております。
パブリックコメント 記入フォームはこちら!
https://www.contact.maff.go.jp/maff/form/b3da.html
ブラジルの遺伝子組み換え開国状況はこちら
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/post_722.html
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農林水産省のコメント http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/101224.html
この度農林水産省が、遺伝子組換え農作物の隔離ほ場での栽培や、
食用又は飼料用のための使用等に関する承認申請(セイヨウナタネ1件、
トウモロコシ2件及びワタ1件)を受け、生物多様性影響評価を行いました。
学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。
これらの結果に基づいて、農林水産省では生物多様性への影響が生ずるおそれはないと判断しました。
簡単に言えば、“日本が遺伝子組み換え農作物を承認する”ということです。
これら遺伝子組換え農作物を承認するに先立って国民の皆様からのご意見をいただくため、
平成23年5月23日(月曜日)から平成23年6月21日(火曜日)までの間、
パブリックコメントを実施しています。
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パブリックコメント 記入フォームはこちら!
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