半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

5月を過ぎ、6月も忙しい時期です

2021年06月09日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の朝採り野菜ボックスのお手紙です。

6月に入りました。農村で最も忙しい時期の1つが5月だとしたら、6月は楽なのかというと、なんだかんだ言ってやっぱり忙しい時期です。

まず、5月が忙しいのは「夏野菜の苗の移植時期」だからです。夏野菜というのは霜にあたると一発でやられてしまいます。「遅霜も八十八夜まで」という言葉があるように、八十八夜を過ぎると霜が降りないと言われているので、夏野菜を一斉に植え付けます。畑だけでなく田んぼもやっている農家さんは、稲の苗も植え付け時なのでいっそう多忙になります。そういうことで、なんだかんだいっても5月は最も忙しい時期なのです。

 じゃあ、6月は何故忙しいかというと、それは「草との戦い」がスタートするからです。農薬を使う一般的な農家さんとの決定的な差は、やはり除草剤を使うかどうかにあります。もちろんトウモロコシは殺虫剤、梅雨時や夏場に病気になりやすい葉物は殺菌剤などを使うのが当たり前になっていますが、有機農業においては「旬のものを健康的に作る」ことで、農薬を使わなくても病気や虫をある程度防げます。ところが草はそうはいかないのです。

 篤農家の家は「3代にわたって草をとり続けてきたことで、草が生えにくい」なんて聞きますが、そういった家はごくわずかです。やはり、草はとってもとっても切りがないもの。農薬を使う一般的な農家さんは、いまはひたすら除草剤を撒いていますが、その横で有機農業の現場ではひたすら草取りをしています。もちろろん草が出ないよう工夫はしていますが、それでも出るのが雑草。

 さらに梅雨が重なると、「水分たっぷり、気温も高い」で、草にとって最高なのです。ぐんぐん伸びる草に対して、人間にとっては雨降りの日に草をとるのはなかなか出来ません。ということで、6月は雨の合間をみながら夏野菜の手入れや収穫をしつつ、なんとか出来る範囲で草を退治するのが仕事なのです。

 ちなみに私の師匠のおかげさま農場の髙柳さんは、油を絞るために菜種を栽培しています。その収穫時期がなんと忙しい今なのです。先月末に1.7反歩(約540坪)の菜種を手で刈り取り終え乾燥をさせていましたが、今から脱穀に入ります。

 脱穀といっても機械は使わず「弥生時代式だな」と本人もいうように完全手作業です。ブルーシートを敷いてそこに1枝ずつ手で叩きつけて脱穀するのです。それをかき集めてゴミを風選で取り除き、ハウスで乾燥させる作業があるので、まあ、大変なのです。更に小麦の収穫も今なんです。つまり、畑で夏野菜の手入れや収穫に合間に草取りをしつつ、田んぼ仕事にさらには菜種の脱穀、さらに小麦の収穫とまあ、大変なわけです。


 ということで、今月も農村は農家さんは忙しい日々を送っています。雨の日は野菜にいつも泥が多くついていることもありますが、農協出荷と違って毎日出荷しなくてはならない有機農業の農家さん達が、レインコートを着ながら時には蚊にさされながらも頑張っている姿を思い浮かべて、ご理解頂ければ幸いです

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