半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

ガンジーを観ました

2013年05月29日 | 自分の時間
基本的にDVDは観ないのですが、図書館でたまたま映画の「ガンジー」のDVDを見つけたので観ました。

高柳さんが良く「ガンジーはすごいな」と言っているんですが、不服従運動のことよりも、「機会は文明を滅ぼすと昔から言っていたことがすごい。今になってガンジーの言ったことは正しいのだから」と言っています。

私にとってはガンジーは「断食で独立運動を牽引した」ぐらいしか知らなかったので、「ガンジーってどんな生涯を送ったのだろう?」とおもってDVDを借りてみたのです。


映画を観て、ガンジーの若かりし頃の言動、そして広いインドを電車で観て回ったり、鉄の意志をもって「インドのことはインドで決める」と大英帝国に主張している姿はとても印象的でした。


私にとって、ガンジーは「不服従運動をしている偉大な人」、もっといえば「言葉よりも態度や姿勢で示す人」という勝手なイメージがありました。

ところが映画を観てみると、若かりし頃のガンジーのアフリカでの言動は「正しいことは正しい。正義にのっとって行動する」といった「主張が強い人物」だったのです。

確かにインド人は主張が強い民族ですからね

当時はインド人も西欧人からみれば「肌が白くない」という下等な人種と見られていました。
例えば、ガンジーがインドと同じ大英帝国支配下のアフリカに行った際、インド人が公道を白昼堂々と歩くことは許されない雰囲気でした。
また、アフリカに向かう電車の一等車に乗った際、「一等車に白人以外が乗っている」という理由で、ガンジーは途中の駅でつまみ出されたのです。

弁護士だったガンジーはそういった扱いが「不当」とし、滞在先のアフリカで人を集めて人種差別に抗議する運動をしたのです。

ここでまず、理解しなければいけないのは西欧人がアジアの人を格下としてみていたという史実です。
日本人だって「イエローモンキー」だとか「ジャップ」とか呼んでいた西欧人からみれば、「アジア・アフリカ人は下等な民族」というのが普通であったわけですよね。
これは史実であることを久々に思い返しました。

そういった大英帝国から「支配下」にあった国で、ガンジーが意思強く、抗議をしているのは本当に「命がけ」で凄いことだったわけです。
映画の中では、若かりし頃のガンジーが棒で殴られ、血を流しながらも抗議をやめないシーンがありました。。
誰もが「支配されている時代、国」の中で、ただただ従うしかなかった中で、「正しいことは正しいし、主張する」という姿勢でやってのけたのです。

その活動はインドでも知れ渡りました。
ガンジーがインドに戻った際、インド人の政治の中枢を担う人達などがガンジーに声をかけました。
ガンジーはインド中を旅し、大英帝国支配下であったインドという国家を「インド人の手で運営する。大英帝国は出ていって欲しい」と明確に主張するわけです。

そのために、まずはインド人に「大英帝国の布を買うのはやめよう。まず自分達で糸をつむぎ、自分たちで布を作ろう」と訴えたのです。
有名なガンッジーの「糸ぐるま」ですね。

当時、大英帝国などは綿をインドから買占めて、作った布をインド人に売ってぼろ儲けしていました。
インド人は自分達で綿を作っていたのですが、布は大英帝国から買っていたわけです。
そういったところから「インド人が大英帝国に支配されているのは、インド人側にも問題がある」とガンジーは指摘したそうです。

その後、第二次世界大戦など色々な時代変化があり、最終的にはインドは独立します。

その過程で、過激化したインドの若者の行動や対立を辞めさせようと「断食」を行うなど、非暴力・不服従は決して支配層に対するものだけではなく、同属のインド人に対し訴えるためにも行っていました。


一貫して、不服従、非暴力であったガンジー。
その思想の根本には、ヒンズー教、ジャイナ教、仏教、キリスト教など多くの宗教の思想、哲学を取り入れたものがあったようです。
そして「言葉を発しない」のではなく、徹底的に「イギリスは出て行くべきだ」という主張をし、活動を行いました。
その行動に伴うのが一貫して不服従、非暴力だったわけです。

ものすごい意思の力だと思います。


そしてこの映画を観てもう1つ思ったのは、ガンジーの「大英帝国の支配をなくすためには、まずはインド人が自分達で糸をつむがなければいけない」という考え・活動は、現代にもとてもあてはまる問題提議をしているな~、ということ。


現代は「先進国」と呼ばれる国々が「発展途上国」と呼ばれる国々に「お金」の力を使って、搾取し、自国のみの豊かさを競ってるわけですよね。
現代のインドでモンサントの巧妙な罠で何十万人のインド人が自殺しているのは、綿やトウモロコシなどの穀物を作らされ、それを搾取されているからです。
世界の多くが「食べ物を作っているのに、自分達は食べれず餓死している」というのは、ほとんどがモンサントをはじめとした「グローバル企業」のせいです。

日本の大手メーカーも、小麦、トウモロコシ、大豆、カカオ、綿などを安く海外から搾取することで大儲けできる。


「グローバリズム経済」は、結局「経済的国力の差」を使って、安い賃金、安いお金で搾取したものを高く売る、というだけで、大英帝国の頃と基本的な仕組みは変わらないのですから。

そしてTPPとか結局「先進国が儲かるように」また「一部のグローバル企業に利益を出させる」ための国策が採られ続けるわけです。

そんな現代に、ガンジーが行った「インド人はまずは糸車で糸をつむごう」というのは、まるで、「TPP反対とか国内自給率をあげようとか唱えるだけでは変わらない。日本人はまずは日本のものを食べようよ、自分で少しでいいから田畑をしようよ、そこから始めようよ」と訴えているように聞こえます。


映画を観ただけですが、ガンジーさん、その名の通り「マハトマ(偉大)」な生涯でした。
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