半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

木こりさんの1日

2009年05月26日 | 素敵な人・友人との時間
 東海旅行、2日目。この日は、「木こりさん」のところへ行って来ました。

 正確に言うと、会社のお客さんで、大変お世話になった方(以下Aさん)が、私が会社を辞める連絡をしたところ、ご連絡を下さり、実は、お父さんが「木こり」をされている、なんていう素敵なお話を頂戴したので、「遊びにいきます!」とお伝えしていたのです。

 で、田舎へ引っ込む前に、、、ということで、1日目のお坊さんの友人の所から、今度は、岡崎の方へ~


 大変ご無沙汰していましたが、Aさんは、相変わらずの元気、パワフル、笑顔で、迎えてくれました

 で、早速、山の中へ、レッツゴー

 途中、手打ちそばやさんで、Aさんは手打ちそば、私は名古屋名物煮込み味噌うどんを食べた後、Aさんのご実家の山の中へ

 
 車で進むと、確かに、すんごい山の中に入って行くのがわかる。そのまま、杉・ヒノキが生い茂る山の中を、ひたすら来るまでどんどん登って行くと、ちょっと開けた集落が見えてくる。

 集落は小さく、なんでも、Aさんの小学生時代は、同級生が5人で、授業は、1人でもわからない子がいたら、先生が、わかるまで1人1人丁寧に教えていたそう。なので、みんな、わかるまで教えてもらっていたので、中学にあがった時は、その5人が、トップ5だったんだって。凄い話だね~。まあ、Aさんいわく、中学になったら、わかるまで1対1で教えてくれないから、勉強は嫌になっていっちゃった、と言っていましたが

 で、Aさんのご自宅に到着~


 すると、お父さん=木こりさんが出迎えてくださる。そして、そのまま、早速、山の中へ


 齢、75歳のお父さんは、元気そのもの 車で、どんどん山中へ入っていった後、作業場=職場、へご案内してくださる。

 職場は、まさに、「山の中」で、ほとんど人が来ないこんな山奥で、お1人で、作業を黙々とされてきたそう。本当に、山が好きな方なのです。

 例えば、以下は、木こりさんが作られた道。
 ↓



 依然、TVで、森林組合の話は見たことがあり、いかに、効率的にどうやって木を伐採するか、そのプランを作るのは、本当に難しく、一般の森林組合さんのやり方を、カリスマのような方が指導しているのを見たことがあった。なので、なんとなく、木材を運び出す仕事の流れは、なんとなく知っていた。

 ただ、上記のように、森の中で、木を伐採して、下の舗装された道路に運び出すための道を、自分でユンボで作った、という現場を見て、その仕事の大変さにびっくり

 こりゃ、大変だ~。そりゃ大変だ~。


 木こりさんは、森林組合かどこかで、働いた後、退職後は、また、個人で木こりをやられているそうで、退職金で、山やユンボを買って、今日まで、山の木の伐採をやってきたそう。だから、本当に山がお好き。で、ここからここが自分の山、というのがわかっているし、木にビニールテープが貼っている意味など、素人では全くわからないことも、山の記号・信号としてしっかりわかっていらっしゃる。

 こういった山をいくつか見せていただいた後に、最後に連れていってくれたのが、富士山が見える丘の斜面の「植林したフィールド」 

これは凄い



 ↑
 上記の写真の雑草の中に、ちらほら見える少し背が高い草のようなものが、幼木。何が凄いかというと、見渡しが良い、小山の頂きの斜面に、イチョウやら、ヒノキやら、色々な木を植えて、その成長過程などを調べているそう。なんと気が長いお仕事だこと

 「木を植えた人」という、まあまあ有名な本があるが、それに似たようなことを、誰にも知られない山の中で、75歳の個人がやっているなんて、凄いことだ

 Aさんが、半分冗談で、「木こりさん、今、75歳だけど、いったい、いつまで生きる気なの?」なんていう突っ込みを入れていたけど、確かに、木は一生物で、3世代先まで考えて植える、なんていうことを聞いた事があるけど、確かに本当に気が遠くなるようなお仕事。実際、山の中で、木こりさんが娘のAさんに「これは、お前が生まれた頃に植えた木だよ」なんていう話もあったぐらい。

 この植林したフィールドは、目算で、200~300メートル四方の大きさ。山の斜面に、1人でこれだけの広さのところに苗木を植林したこと自体、本当に感服しちゃう
 
 その中を、木こりさんが、てくてくと、健脚ですたすたと歩いて案内してくれる 

 四方八方に、紐で出来た網が張り巡らされている。これは、「鹿」が入ってきて、幼木を食べちゃうんだって。 昨年、千葉県の鴨川にいった時は、ある集落は、電気が走るフェンスで囲われていたけど、猪や猿がやたら出ている(実際、猿がミカンを盗んでいるのを目撃しましたが)というのは聞いた事があるけど、この山の中は、鹿なのね。

 森林の中ではないので、影もなく、草や幼木がすくすくそだっているので、鹿にとっては、美味しい餌場になっているとのこと。なので、網を張ったらしいけど、穴を開けてもぐりこんでくるので、そのたびに修復をしているそう。これも大変なお仕事

 そしてそして、大人の鹿は、角が網に引っかかってしまって、身動きが取れなくなってしまって、罠にかかった状態のようになって居ることも、よくあるんだって

 実際に、猟をするためにやっているのではないので、毎日見回りはしていないから、たまに見つけたときには、もう死んじゃっているそう。そういうときは、土に返すそう。

 実際に、「これが、その骨だよ」と、木こりさんが、穴を修復した辺りの地面を指差すと、確かに、骨が。。。なんか、凄いね~。

 「僕は猟師になった」という本が、最近、面白くて、猟もやりたい、と思っていたので、普通の人は、骨なんて見ると嫌がるんだろうけど、自分は、生ではないけど、鹿の死んだ後や、鹿の骨を見るのは、少し、エキサイティングだった



 そんなこんなで、「植林フィールド」を案内して頂きました。Aさんも、あんまり、お父さん=木こりさんの「職場?」や「仕事」の事は聞いたことが無いようで、なにやら、親子同士、色々な会話をしているところに一緒にいさせてもらえて、それはそれで、大変楽しい時を過ごさせてもらいました。

<親子が山を歩く図>
  ↓


 その後、ご自宅に戻って、お母さんも帰ってこられたので、イチゴを頂いたり、お茶菓子を頂いたりしながら、団欒。

 森林業界にも、「業界雑誌」みたいなのがあって、木こりさんと息子さん、親子で表紙になっている号もあった。また、その雑誌の中身や、木こりさんに、お話を聞くことで、ちょっとだけ、森林業界のことを学ぶことができました。

 国の指針で、金になるから、といって、杉・ヒノキをたっくさん植えた、日本の山。でも、実際、商品になるには、炭にするなら15年ぐらいだけど、木材として使うには、もっともっと時間が必要。それを、人手を使って切り倒し、山から降ろし、木材として市場に出す労力は、本当に尋常じゃないほど。それを「生業」として、飯を食っていくのは、相当無理がある。それほど、儲からない。だったら、輸入した方が良いのは、経済的に見れば仕方が無いこと。日本の木を使っていますから、高く買ってね、なんていって買うのは、よっぽどの人じゃないといないからね。

 本当は、きちんと間伐しながら、また、植林して、、、という里山をつくるのが理想だけど、例えば木こりさんが、老後一人でやるのはそれは無理で、伐採をしているだけ。それでも、何もしないよりは、よっぽどまし。

 千葉県の鴨川市の現役で炭焼きをしている長老達も、「炭焼きは、1つの山に入って、焼き窯を作って、炭を焼き、植林し、また、次の山へ、、、といって、15年たったら、最初の山に戻ってくる。そうすると、また、炭に適した太さの木が生えていて。そういった循環ができていた。でも、今は、もう、誰も間伐など、する人はいなくなってしまったよ」と言っていた。

 農業もそうだし、林業なども同じ。時代の流れ、とはいえ、田んぼだって森だって、一度人間が手を入れたとしても、そこに「循環」があれば、共存が出来ていたけど、一度、手を離してしまうと、もう、復活させるのは本当に大変。

 こういった事を、国がどうだ、政治がどうだ、という前に、その地域、その地元に住み着いて、自分の生活範囲で、少しずつ手を入れて行く、そういった事が大切だと思う。

 実際、私なんて、間伐材とか竹とか、自分の生活の中でほしいもの。自分で伐採した木で、家を建てたいよね~。そういったことを指南してくれる「家つくり塾」にもいつか行きたい。

 また、そういった生活をしている若者もちらほら増えてきているわけだし、「まさき たかし」さんの「スプリングフィールド」という本にも書いてあったけど、少しずつ、そういったことをやる人が増えてきて、新しい流れも起きているのは事実。

 私も、家庭菜園程度からスタートするけど、田んぼなり、間伐なり、自分で出来るところから、「わくわく」しながら、行動を起こしていこ~っと。


 最後に、才色兼美のAさん、1日、お時間を頂戴し、貴重な体験を有難うございました 誇れる故郷、ご両親をお持ちであることは、素晴らしいことですね

 お土産に頂いた、さやエンドウ、シイタケなども、有難うございました。また、木こりさん、お母さんにも、宜しくお伝えください

 今度は、千葉にいらっしゃた時に、我が家へお待ちしていま~す

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