半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

合資会社大家族・五色塾~小川さんとの出会い~

2009年05月05日 | 素敵な人・友人との時間
 5月5日はこどもの日~♪ ですが、私は、昨年の不耕起田んぼの岩澤先生の講演会で出会った鳥居さんからご紹介頂いた「小川誠さん」のところへお邪魔しました。

 一つの大きなビジョンを持っておられ、まだまだ自分では、見習うことさえ出来ないところもあるけど、自分の人生を自分で創ってこられた一人の先輩として、大変刺激をくださいました。行ってよかった

 
 小川さんは、HP にあるとおり、「五色塾」という塾をやっていらっしゃる方。

 →http://goshikijuku.world.coocan.jp/

 田んぼや畑をやりながら、不登校児などのサポートをされている方。
その中で、不耕起もやっていらっしゃり、岩澤先生の自然耕塾の2期生だそうです。

 お伺いして、まずは、田んぼに移動。ここは、道路と田んぼの間に、畑や田んぼ、そして、用水路があり、田んぼの奥は雑木林があるので、すごく静かで、きれいなところ。小雨が降る程度の天気だと、晴れの日より、むしろ新緑が映え、マイナスイオンがでている感じを受けて、とってもすがすがしく気持ちいい

 野生の鴨のつがいも飛んできているので、「自然のままの合鴨農法」が
できてしまっているところ。「小川さんのお米は美味しい」と評判で、お歳暮用と
して、お米も大変高く売れたそう。

 まず、育苗の為にかけていた鳥よけと寒さを防ぐ両方を兼ねた不織布のような覆いをはがす作業。

 普通、岩澤先生方式だと、ビニールハウスで稲は育てるのですが、小川さんは、
育苗箱をそのまま田んぼに置いてしまう方式。なので、鳥にやられないように、また寒さよけの為に、覆いをかけているそう。

 それにしても、2.5葉、など、ある程度大きくなった苗の緑がきれい

 小川さんからは、「今日は子供の日だから、苗にお日様をプレゼントするんだ」と素敵なお言葉

 今年から研修生徒なった方も一人いらっしゃって、3人で、覆いをはがす。

 昨年のブラウンズフィールドで稲刈りをして以来、久しぶりに田んぼに素足で入ったので、あの「にゅるっ」という感覚が戻ってくる。また、あいにくの曇り時々雨の天気でしたが、田んぼの中は暖かい 何か嬉しくなってしまう

 
 で、はがした覆いを、近くの用水路(といっても、田んぼから2.5mぐらい下にある)に、はしごで降りて、じゃぶじゃぶ洗う。

 その後、まだ、育っていない稲の上に、覆いをかけ、一つ目の作業は終了。

 次に、今度は、相模川沿いの大きな田園地帯の一角に移動して、代掻き。



 後述しますが、「大家族構想」をうちたて、田植え機などの機械を購入され、今年からは「農家」として、作物を増やしていく方針。なので、この相模川沿いの田んぼだけでも、今年で、6haぐらい、一気に借りたそうすごい

 ここは、国土交通省の持ち物(あるいは、払い下げされた地主さんの持ち物)で、もう、何年も放棄田となっていたところなので、水が貯まるまで、結構大変かもしれない、ということ。研修生の方と、代掻きするが、私にとっては初の代掻き

 初めて、代掻きすることで、土の粒子が細かくなって、とろとろした土が沈むことで、水が貯まりやすくなる、ということを実感する。ただ、川沿いなので、石が多い。。。こりゃ、大変だ。

 途中、小川さんがトラクターで現れ、耕す。トラクターを見ると、やっぱり、
「農って、業としてやるには、機械が絶対だよな~」と思ってしまう。

 お昼になったので、近くのキャンプ場の方まで行き、お昼ご飯。
途中、豪雨となったので、午後の作業は中止になったため、お昼ご飯を食べながら、2時間ぐらい、小川さんのお話をお伺いする。また、その後、小川さんの自宅に帰ってから、奥様(スイス人です)のおやつを頂き、夕方17時過ぎまでたっぷりとお時間を頂戴した。

 小川さんは、12年間、メーカーに勤めてから、会社を辞めて、まず、農の世界に飛び込んだそう。なんと、私もちょうど12年働いて辞めたので、全く同じ奇遇とは、こういったことを言うんですね~。

 で、仕事でヨーロッパなどに行くと、技術者なら、自分は管理職というより技術者のままでやっていきたい、といったような思考が強く、日本みたいに、昇進や給料の為に次の仕事、という考えがあんまり無い、ということを知っていったそう。

 また、一番お金がかかるのは、健康を損ねて、病気になってしまうこと。マクロビや漢方ををかなり勉強されたそうで、病気にならない生き方ができるようになった、という自信が、会社を辞めれる自信になったとのこと。

 とはいえ、結婚もしていたので、2ヶ月ぐらいは、農業をしていると、「本当にやめてよかったのか?」といったような自分を攻めるような言葉が浮かんでは消え、浮かんでは消え、というのが続いたそう。ただ、2ヶ月も大地に触れていると、デトックスのように、そういった疑念は消えていったそう。

 その後、日本語教師、という新しいフィールドで、ドイツなど、ヨーロッパを周る。で、日本に帰ってきて、ご縁があったことから「五色塾」という不登校児などのサポートをする塾を始められた。

 田畑については、子供達のエネルギーを発散させるために、スポーツも良いけど、それは、勝ち負けのある競争の世界で、それより、勝ち負けの無い、大地に触れる農を通じて、発散させた方が良い、という考えから、田畑に触れる活動を、塾の中に入れた。

 
 そういった活動をしていく中で、自然農で、畑はあっても、田んぼで不耕起を
やっているという人がいる、という話を聞きつけて、ものは試しで、岩澤先生の
不耕起田の自然耕塾に行ったそう。

 で、最初は、「耕すことが、生態系、環境を破壊しているんだ」という言葉に、
カチンと来たそう。小川さんは、川口さんの赤目塾にも何回か通われていて、
自分なりに、環境型循環型農をやっているつもりだったから、「何をいっているんだ、この人は!」と怒りを覚えるぐらいだったそうで(小川さんらしい。。。)、
でも、よくよく話を聞いて見ると「その通りだな~」と思うようになってこられた。そして、不耕気をやられるようになったそうです。

 ただ、昨年から、「合資会社大家族」というものを立ち上げて、次のステップ、ビジョンに向けて、五色塾は今は、休塾中とのこと。

 昨年の、ヨーロッパなどと比較した日本の環境政策の悪さ、マネー資本主義の崩壊などから、「食糧危機は必ず来る」という信念を強くもたれている。そんな流れから、「30家族、100人が食っていける食糧を自給する」事を目的に、50万ずつ出資金を募ったそう。その結果、昨年は、15家族の定員が、きちっと埋まったそう!その上で、謄本などを調べ、休耕田を借り、また、トラクターや田植え機なども買い、今年からは、「塾」より「農業」に力を入れていく方針。

 また、そのグループ内だけで使える地域通貨「SIDE」も作ったそう。出資した社員は、農作業をしなくても良いが、した場合は、それにみあった「SIDE」をもらえる。「SIDE」は、農作物と交換できる、という仕組み。

 ビジネス的な感覚もお持ちで、これを、軌道に乗せていくのが、当面の目標だそう。55歳で、既にお孫さんもいて、孫のことも考え「30年後」を見据えた取り組みだそうです。

 とはいえ、本当は、相模原のような「都会」ではなく、新潟の山奥とか、もっともっと田舎に住みたいそう。ただ、実家の屋敷もあり、お母さんもいる、ということで、相模原に住んでいるし、田んぼもたくさん借りて「大家族」を始めたので、相模原からは、離れられないとも思っているご様子。 

 その他、宮脇 昭(みやわわき あきら)さん、という、福岡式の泥団子に勝るとも劣らないほど海外では有名な方の「鎮守の森」という本も読んだ方が良い、というアドバイスも頂戴する。簡単にいうと、ふるさとの樹によるふるさとの森作りを提唱されていて、きちんと、そういったものが集まった群生林は、外来種なども受け入れず、燃えない、など、そういったことが書かれているそう。早速読もうっと

 とにかく、色々なビジョン、自分の強い信念、考えがあり、しかも、すべて「行動」「実践」をしているところが、すごいな~、人生の先輩としてお手本の1つだな~、とずっと感心をし、学び続けさせて頂いた時間になった。

 小川さんから「30年後は明らかで、行き着くところは見えている。これはシンプル。あとは、そこに向けて、自分がどうしていくかを考えていくんだ」というお話を頂戴したが、まだまだ、自分には「30年後」は、ぼんやりどころか、イメージがついていない。会社では、よく企業経営者に「5年後のビジョン」とかを語っていたが、一人の個人として、世の中の30年後を「こうだ」と、見据え、それが現実的か思い込みが強いのかはさておき、自信をもって自分の道を作っている小川さん、本当にすごい方です。

 最後に、私が一番印象に残った言葉が「大地への信頼」という言葉。お昼ごはんを田んぼの近くで食べながら小川さんが語られた言葉だけど、「大地」があるから、自然の摂理にそって、食べ物は出来る、自分は生きていける、という安心感、信頼感がある、というお話を聞いた。これは、頭ではわかるが、心底そういった思いをもてないし、そういった実感を持てない。だって、大地にはほとんど触れていないのだから。。。ただ、そういったことを、実感として、自然に言葉として紡ぎだせる境地、に自分もいずれは行きたいな~、と思った1日でした


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