駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

新型の思わぬ側面

2009年12月22日 | 世の中
 生老病死が避けがたいものであることは我々のような仕事でなくとも、大人になれば誰しも骨の髄に浸みて理解していることだ。まあしかし、それに関わることを生業にしていると、不謹慎のそしりを受ける感覚も出来てくる。医師はさほどではないと思うが、薬品販売に関わるセールスの人は、来年は花粉の飛びが悪そうでとちょっと残念そうにしている。新型インフルエンザが流行し診断検査試薬や関連薬物のセールスの人はいつになく力が入っている。
 私にはそうした感覚はないつもりなのだが、10、11月の診療報酬を見ると思わぬ新型インフルエンザ効果が出ており、あれれと思うと同時に四月以来前年比マイナスが続いていたので、正直ほっとした。
 不謹慎と思われる方も居られるかも知れないが、医療関係者は病気を防ぎ減らすように働いているわけで、新型インフルエンザの流行で一息ついても許されるだろう。
 もっとも、製薬メーカーが高血圧、高脂血症そして糖尿病の怖さを広告する場合は、それが薬の売り上げを伸ばすというインセンティブが働いているからで、多少ニュアンスは違うかもしれない。それでも、そうしたインセンティブが働いているにしても、その趣旨は正しく、掛け値なしに受け取って欲しいと思う。センセーショナルな新型インフルエンザよりも多くの人の健康と命を高血圧、高脂血症そして糖尿病は奪っているのだから。
 病気になるのはつらいことだが、病気の持つ社会的側面にもかかりつけ医やインターネット情報を活用して目を配ることは社会人としては必要だろう。世の中は回り回って動いている。風が吹けば桶屋が儲かることもあるわけだ。
 10,11月の思わぬ余録の増収にほっとしながら、ちょっと頭に浮かんだことを支離滅裂気味だが書いてみた。

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