駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

診療を圧迫する事務仕事

2013年10月10日 | 医療

                

 医者になって四十年、多少物忘れは出てきたが未だ十分使い物になる。しかし、この頃、いつまで出来るかなと思うことしきりだ。患者を診るだけならまだ五、六年は十分働けると思うのだが、いかんせん書類の多さに参っている。

 診断書と紹介状だけなら診療の一部だから書くことが出来るが、訪問看護指示書・主治医意見書・レセプトの点検・介護保険審査書類・障害者認定審査書類おまけに医療資材購入価格調査などの調査票記入・・・、書類作業が仕事の二割近くになっている。好きな仕事ではないので苦痛だ。

 最近、病院では医療秘書を置くところが増えたようだが、私の医院は手狭だし、既に7名の従業員が居るので、秘書までの余裕はない。それに本来代行できない業務も多い。三階建ビルを建てた流行医のT氏は口述筆記と聞いているが。

 何時も役所の書類を見て思うのだが、書類はそれを本業にする人にとってはさほど手間取らず遺漏なくさばいてゆくことが可能でも、診療を本業にする者には戸惑う書式や慣れない言いまわしで訥々としか進まないのだ。ちょうど慣れた頃に変更があり、えーとこれはなんだっけと悩まされる。

 尤も、二十年前に比べればお役所の対応は柔らかで親切になり、質問すれば丁寧に教えてくれるようになった。それは大いに評価しているが、書類を簡素化して減らすという大元の改善して欲しいと心底願っている。

 

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