角幡唯介という’冒険家が居る。北極圏を主な探検場所にして居る。二冊ばかり著書を読んだことがある。冒険家にも色々あるのだろうが、角幡さんは筆も立ちいくつか文学賞も受賞されている。そうなれば当然なのかもしれないが、読書量も半端でなく幅広い。
零下何十度の極地をたった独りで探検するような人は活字から縁遠いような気がしていたがどうもそうではないらしい。勿論、物を書かない冒険家を知る機会は少ないので、物を書く冒険家の正確な割合は分からない。冒険家が文学評論から遠い気がするのは運動部の猛者には文学評論好きは少なかったし面倒な理屈も好まなかった記憶があるからだ。勿論、私の経験は限られているし、運動部と冒険部は別で似て非なる人達なのかもしれない。
よく考えれば意外ではなく、生きていることの極限に迫ろうとする冒険家が思索の人であるのは当然なのかもしれない。むしろ定型業務の一般人のほうが日常に埋没して思索を忘れているかもしれない。