太り気味の女性の中には食べていないと言い張る方が居られる。しかし実は間食というか食事以外の食べ物を取っておられることが多い。イライラしたり不愉快なことがあると果物やお菓子に手が出て食べてしまっている。彼女達も悲しいことや悩み事があると痩せるから、決して水を飲んでも太るわけではないのだ。果物やお菓子は食事ではないという不思議な理屈が成り立っているらしい。
患者さんを指導する時は、欲望や快楽には目がない人が多いと心得て置いた方がいい。男性の場合は節酒禁煙で苦労する。根比べで嫌われても怒らせないように何度も注意することにしている。二年三年すると効果があることもある。残念ながら効果がなく余病を併発してしまう人も時々居る。だから言ったでしょとは言わないことにしている。私の指導力不足があったかも知れないし、前向きの気持ちにできるわけでもないからだ。自ら言われる通りにすればよかったと言われる患者さんはおられる。それにはそうでしたねと答えることにしている。
健康で長生きと言ってもあれも駄目これも駄目では確かに詰まらないと思う。無芸大食何でねえと言われて返事に困ることもある。健康で長生きも良いが、楽しく長生きが一番なのだと思う。楽しく生きる、これは医者の仕事を越えているが、少しはそれに貢献したいと仕事をしている。