駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ワインを飲みながら勉強すると

2019年02月17日 | 医療

                

 

 先日総合病院の医師と食事をしながら話をする機会があった。誰が企画してくれたのか知らないが、スポンサーなし五千円の会費でワインとイタリアンを楽しみながら、勉強というか病院の先生の分かりやすい最新医療の講義を聴く集まりだった。総合病院から十名ほど開業医が十五名くらいで、普段聞きにくい初歩的な質問や教科書や医学雑誌には書いていない微妙なノウハウを質問出来て本当に役に立った。もう一つの副産物というか、実はこちらの方が大切なのかもしれないが、親しみのある顔見知りの関係が築けた。私は年長と言うこともあって丁重に扱われた所はあるかもしれないが、お互いに感謝と尊重の気持ちが育まれたのが大きかった。十数回の患者さんの紹介返却のお付き合いをしていても会ったことのない病院の医師が居るもので、この会で会えこんな若い先生だったのかと驚いたりした。

 医師の本音?を話すネットのサイトがあり、時々覗くのだが、開業医を低レベル或いは利潤追求のように言われる医師が結構居る。実名でなくハンドルネームなのが良くないのかもしれないが、それでは良好な病院と診療所の連携ができないのではと思っていた。幸い当地ではそうしたことは少なく、若い医師からちょいと厳しい返事を貰うことは時にあるがそれは若気の至り自分もそうだったと思い当たるので苦笑いはしても腹は立たない、こうした会合を通じて良好な連携が可能になっている。

 お互いをよく知れば不要な誤解曲解は避けられることが多い。これは人間社会の鉄則というか真実だろう。勿論、会食をして親しくなっても相容れないことはあると思うが、お互いをよく知れば不要な摩擦は減る。個人的な主義主張や信念では難しいところはあっても、少なくとも仕事上の協力関係は円滑になる。特に医療では患者さんの診断治療で同じ方向と向いているので、仕事がしやすくなる。

 医学は十年区切りくらいで一段ずつ進歩している。C型肝炎が殆ど100%治るなんて10年前には考えられなかった。限られた費用を本当に有効必要な患者さんに使えるようにする、それはむしろ医師よりも国民一人一人が考えるべき問題だと蟷螂の斧から申し上げたい。

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