駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

お前の考えなど聞いていない

2021年05月22日 | 世の中
             

 今は昔、もう旧い教授は居ないが、嘗ては大の大人を震え上がらせる教授が居た。カルテに下手な考えを書いたら「お前の考えなど聞いていない」と怒られたことがある。カルテは症状所見検査結果回診指示などを記録するもので、碌な知識も経験もないお前なぞの考えを記録するものではないと言うわけだ。
 勿論、現在では未熟な研修医でも問診診察検査結果から自分の考察を記録することは、他者に自分の思考過程を伝え同時に診療能力を高める訓練にもなるので、積極的に勧められている。客観的に事実を洗い出し、知識と思考によってより正確でより良い診療を行うことは医師の義務であり、それは事実と考察を記録することにより推進される。
 昔の教授の有り様にはいろいろ問題もあると思うが、「能力不足の人間が偉そうなことを言うものではない」は今も真実と思う。アフガニスタンがどこにあるかもわからなかった防衛副大臣が政府の方針と異なる意思表明「我イスラエルと共にある」などと発信するのは不適切、A教授なら「馬鹿者」と雷が落ちただろう。
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