駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

緊張が付きものだが

2023年02月09日 | 医療

             

 

 医者も人間、私も高血圧症をはじめとして三つの病があり四種類の薬を飲んでいる。主治医を畏友H先生にお願いし二か月に一度通院している。半年に一回採血検査をしている。この採血検査で早期発見ができてもう少し生き延びられそうなのだが、昨日も受診して採血した。なにせ聴診器より重いものを持たないのであまり血管の出はよくない。「えーっと先生の採血はこの血管でしたね」と確認している。ちゃんとどの血管で採血したかをよく覚えているのは偉い。

 慎重に確認してからちょっと痛いですよと針を刺したのだが幸い一発で入った。どうも少し手が震えている。針先が動いたが何とか8CCほどの採血ができた。ほっとした様子で「ちょっと緊張しました」と言う。医者だからか私だからか分からないが、そんなに緊張しなくていいのにと思った。大抵の看護師さんは私から採血する時緊張する様子だ。退職したAさんだけは緊張することもなく、ずぶっと刺してはいお終いだった。彼女は本当に肝っ玉が据わっており、重症患者が受診した時など傍にいてくれると随分心強く、適切な判断処置ができた。実はほとんどの医師は重症患者を目の前にすると焦りや緊張が出てくるもので、落ち着いた看護師が傍らに居ると随分と助かるのだ。

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