友人達と月に一回くらい山小屋で会って昼飯を食べながら、あれこれ話をしたり作業をしたりしている。当地に移り住んでからの、それも異業種で五十歳頃からだから本当に貴重な友人達である。四十歳を過ぎて親友が出来るのは、さほど多いことではないだろうから幸運だ。
転勤族とは少し違うが、勤務医も似たようなもので、昔は所謂大学の関連病院に「おまえ、あそこどうだ」。と教授の思いつき?で見知らぬ土地に送られて住み着いた同業者は多い。幼なじみの居ない土地だから、自分で生活圏を作っていかなければならない。何の縁か気の合った友人が出来ることは有り難い。
友人と言っても必ずしも似ている者同士ではなく、それぞれに得意分野や苦手な分野が異なるし、異業種だと知識の範囲が違うから成る程と言うことも多い。自営業とサラリーマンが半々で、何となく会社というものはそういうものかと教えられることも多い。
サラリーマンだからと言うわけでもないだろうが、S氏は事務処理が非常に得意で、私がうんざりするような業務連絡や調べ物を喜んでやってくれる。今年で出向会社も定年なのだが、年金など面倒そうな手続きも抜かりなくやっているようで感心する。
昔から三人寄れば文殊の知恵というが、似たものよりも異なった者の集まりの方が、問題解決能力は高いと感じる。異なるから行き違いも起こりやすいがG氏のように温和で公平無私の人が居て波風を納めてくれるので、だんだんわがままになる高齢者集団も巡航している気がする。
違いが分かるというコマーシャルがあった。それも大事だが違いを生かせればもっと良いと思う。