駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

日本最頻の病い

2022年10月16日 | 世の中

             

 

 日本人の一番多い病気は何かというとそれは心配症だ。医学の教科書ではあまり大きくは取り扱われないが、心配症というべき患者さんがものすごく多い。医学を越えて日本人ひいては日本研究の対象になる特性と指摘したい。勿論、数多くの研究者が気が付いて考察していると思うが、その研究成果が世の中のために賢明に生かされているとは思えない。

 毎日数多くの患者さんを診療していて感じるのは、如何に心配で受診される患者さんが多いかということだ。それに費やされる時間と費用は莫大なものだと確信している。それを簡単に浪費とは言わないけれども、費用対効果には問題があり折角の健康保険が濫用されていると感じることはある。

 心配性は病気健康に限らず、実は日本人の行動原理に大きな影を落としている。勿論、心配性には良い面もあるので全て駄目とは言えないが、好ましくない側面を意識して科学的に是正することが必要と指摘したい。心配性からくる危険度ゼロ志向を非難するのがタブーのようになっている。不可能な危険度ゼロを言葉(精神論)と同調圧力で紛らわしてしまうために、事実と向き合わず科学的手法を軽視することになり、結果として危険を減らせないという皮肉なことが起きている。

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