駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

不思議な家

2009年02月13日 | 
 今日は初めての患家に往診に行った。いつもゼンリンの地図で場所を確かめ、コピーを持参する。比較的新しい街区でまだいくつか空き地がある。目指す家は直ぐ見つかった。真四角の箱のような新築の大きな二階家で、巨大なサイコロが角地に置いてあるようだ。
 表札が違うが、確かお嬢さんと住んで居ると言っていたからとチャイムを鳴らすと二十台の女性が出てきて、ああそれは横と指を指すので、90度横に回るとそこにも玄関があり患者名の表札が掲げてある。七十台の小柄なおばあさんが「狭いところですが」と中へ招じ入れてくれた。狭いだって、変なことを言うなあと中に入ると確かに2DKの構造で、奥に寝たきりとなったご主人が寝ている。2DKといっても妙な配置で右側に台所トイレ風呂があり左側に二部屋が縦に並ぶ振り分けになっている。あれ、先程のお嬢さんが居る。どこかで隣と繋がっているらしい。
 診察を終わり外で待っていると看護婦がなかなか出てこない。今度来るときの日程などを相談しているのかなと思ったら、「先生、このおうち三世帯住宅なんですって」。と言う。どうも余計な?話もしてきたらしい。「あちら側にも玄関があるんですよ」。成る程、サイコロのような空間をどうやって三つに割っているのだろう。あの老夫婦は下半分、つまり四分の一の空間をL字型に貰っている様子だ。アッシャー家では困るがエッシャー家も目が回りそうだなと、それこそ余計な感想が浮かんだ。
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