駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

閑かさや書斎に入り来る蝉の声

2019年08月04日 | 人生

            

 

 今朝は久しぶりに穏やかな日曜日で書斎には何処か秋の気配のある日差しが差し込み、蝉の声が聞こえている。不思議だが蝉の鳴き声が聞こえた方が周りの閑けさが際だって感じられる。昭和の初め、芭蕉が立石寺で詠んだ句の蝉がアブラゼミかニイニイゼミで揉めたことがあったようだが、今では季節的にニイニイゼミとなっているようだ。珍しく?茂吉も自説のアブラゼミを引っ込めニイニイゼミ説を認めたらしい。

 私は俳句鑑賞の勉強も修行もしたことはないが、茂吉が最初アブラゼミだと言ったのが何となく分かる気がする。蝉で真夏と思ったのではないだろうか、大歌人が句を詠まれた日付を知らなかったとは考えにくいが歌ではなく俳句なのでその可能性はあると思う。炎天下であればアブラゼミが灼熱地獄の伴奏者に相応しい気もするのだ。

 今日は八月四日、何時の頃からか八月は特別な月に感じるようになった。夏休みがあるせいか田舎へ墓参りに帰るお盆月のせいか、不思議に昔が懐かしく私にはものを思う季節だ。何というか過ぎゆく時に、過ぎた時に触れることの出来る季節と感じる。なぜか分からないが、ふといつか長崎にそしてアラバマに行ってみたいと思い浮かんだ。

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