サンドイッチの決まり手

　久しぶりに山小屋に集合。休暇明けの繁忙と時差呆けで、手の込んだ物は作れず、サンドイッチを持参。まずまずの評判であったが、今回はどうも僅かに塩を振り過ぎた。半年ほど前作った時、塩味が薄かった記憶が災いした。
　パンは八つ切りにしている。もっと薄くても良いという考え方もあろうが、昼飯となればこの厚みが適当だ。
　まず薄くバターを塗る。塗ると言うよりバターの香りを付けるために擦り付ける程度、マヨネーズ、旧来のちょっと酸っぱく黄色い、を薄く塗る。その上に西洋芥子を薄く塗る。
　玉葱を非常に薄く切り、一番下にひく。次いで薄く切ったトマトか胡瓜を重ねる。その上から薄く塩を振る。最後に薄焼き卵かハムを置く。これで四種類の組み合わせ、つまり胡瓜卵、胡瓜ハム、トマト卵、トマトハムができる。小一時間で七人分、これを大振りのタッパーウエアに詰めて持参。二切ればかり後で起き出す女房に残しておいてやる。
　山の空気とＦ氏のコーヒーと合い、そんじょそこらのスナックのサンドイッチより格段に旨い。
　まあ、作り方にコツがあるように書いたが実は一番大切なのはパンで、ご近所のＲというパン屋の食パンでないと画竜点睛を欠いて芳醇な味が出ない。
　とぼけた塗料店のＯさんが「なんだかいつも、Ｓさんの昼飯は旨いんだよな。俺の口にあっているのかなあ」。とつぶやくが、もっとはっきり「料理の腕がよい」。と言って欲しいなあ。