医師というのは比較的独立性の高い仕事のように思うが、多くの仕事と同じで一人では殆ど何も出来ない。無理に一人でやれば効率も落ちるし診療の質も落ちる。大小の違いはあっても九分九厘、組織で働いている。自由そうに見える開業医も数人から十数人のスタッフと働いている。開業医は医師一人が多いので、院長業も兼ねることが多い。
私は経営的なことは苦手で家内と会計事務所に経理は任せていたが、人事、給与、働き方、診療方針などを考えねばならず院長という立場を忘れることはなかった。そのためスタッフとは親しく話をしても、同じ立ち位置になることはなかったように思う。それが院長を辞し勤務医になってから、壁が殆どなくなりごく普通に世間話をするようになった。振り返って、今更ながら院長業の大変さを感じ(自分が向いていなかっただけかも知れないが)、患者さんを診るだけの仕事は楽だと感じている。
何だか看護婦や事務と距離が近くなったようで、若い刺激を受けて緊張が緩んで進む老化を防げそうな気もする。
開業すると個人事業主になるので、経営者としても手腕を発揮しないといけないです。でも、勤務医には勤務医の苦労や大変さはあると思います。医局のしがらみもそうではないでしょうか。
でも、向き不向きありますよね。
若い医師や看護師さん達との交流は良いですよね。年齢問わず職場で親しく話せる仲が良い人達がいると、仕事も楽しくなりますし、効率も上がるのではないかと思います。
うちは祖母は開業してましたが、父は勤務医でした。専門は外科でしたが、救急外来にも長くいたので母の話では産婦人科も内科も色々やっていたそうです。
私は知らなかったのですが、自宅でも暇があると結紮の両手結び片手結びなど糸結びの練習をしていたらしく、オペの時に役立つように左手も練習して右手並みに使いこなせるようにしたり、仕事に関しては非常に真面目だったようです。
父は病気で数年前に亡くなりましたが、もっと色々な話をしておけばよかったなぁ…と思います。
と、私事を長々とすみません。
勿論、勤務医には勤務医の面倒なこと辛さはありますが、私は高齢なのでそうしたあれこれとは無縁に働けます。