駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

靴を大切にする

2019年09月12日 | 小験

      


 今日は曇って比較的涼しい。しかし気は緩めない、もう一二回夏日があると思うからだ。

 靴を四足持って居る。昔は二足だったのだが、交互に履いた方が長持ちするという女房のご託宣で今はよそいき用、雨の日用、普段履き二足となっている。交互に履くせいか、こまめに手入れして貰うせいか、古い方はもう十年以上履いている。手入れに使った費用は購入価格を上回ってしまった。そうなると果たしてこれを倹約と言えるのか疑問だが、人間の心は妙なもので、愛着が湧くという意地になるというのか、お客さんこれはもう無理ですよと言われるまで履こうと思っている。尤も、旅館や料亭では靴を見て客の値踏みをするというから、初めてのところではこの客は大丈夫かいなと思われているかもしれない。

 医院では患者さんの履物を見てどうのこうのと言うことはない。料亭や旅館よりもうんと敷居は低く、すり減らした雪駄でも倶利伽羅紋々でも眉一つ動かさず診させていただいている。問題は態度で、受付で暴言を吐いたり、酔っぱらっている患者さんは今日だけはと丁寧に診て悪いけどもう来ないで下さいとお断りするようにしている。そんな患者さんは二三年に一人居るかどうかで、又来ても素面だと猫のようにおとなしかったりする。

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