駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

メダルはなくとも

2018年02月26日 | 小考

  

 このに三日寒さが和らぎ、三寒四温の季節になったと実感する。ちょっと暖かくなったら急に花が咲き始めた。草木花の名前を知らず、桜にしては早すぎるし色が濃いし何だか咲いたと通勤の道すがら眺めている。

 今年の夏は暑いそうだ。五十年前に比べたら天気予報も随分当たるようになったから、暑い夏が来るのだろう。今は患者さんと異口同音に早く暖かくならないかなと言い合っているが、過ぎたるはで、猛暑も辛い。まあ丁度良いのは春秋で十日間ずつくらいのものだろう。それくらい美味しい所というか最良の部分というのは少ない。人生も振り返れば5,6%が本当に楽しい時間かもしれない。

 要は上がり坂下がり坂でこぼこ道をいかに味わい深く生きるかが大切なのだろうが、凡夫には中々難しい。日常をちょいと楽しく生きる知恵には女性の方がいくらか恵まれているように見える。神は細部に宿ると言う。成程と思わせる言葉で、原典を離れ色々な解釈があるようだが、変哲のない毎日を味わう知恵を言っているようにも聞こえる。

 メダルのために一途に精進するのは、勿論、素晴らしく凄いことだが、変哲のないあれこれと些事が押し寄せる日々を生き生きと生きるのはメダルの表彰はなくても、メダルに値すると思う。

コメント
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