あられの日記

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旧住友家俣野別邸その3 主屋と玄関

2017年07月24日 05時34分35秒 | レトロ建築
昭和14年に建てられたオリジナルの住友家俣野別邸は、昭和前期のモダニズム影響下におけるハーフティンバースタイルを一部に取り入れた和洋折衷住宅建築として評価され、2004年7月に国の重要文化財に指定されました。現在の建物は、2009年にオリジナルを焼失。再建され今年2月に横浜市認定歴史的建造物に指定。3月より一般公開中です。
と、入館料400円を支払うといただけるパンフレットに書かれています。今日は俣野別邸の1階主屋の食堂と玄関を紹介します。

主屋棟2階→南棟→事務棟→主屋棟1階(今ココです)
食堂です。ここは喫茶室として使われています。コーヒーを注文してゆったりと芝庭を眺めるのも優雅です。

食堂のテーブルと椅子は、オリジナルを写真から再現してるそうです。

テーブルの天井。まずは元々は彩色彫刻の施された天井板は焼失前のもの。2000年に相続税として元の持ち主が建物を物納した時、天井の彫刻は剥がして持って行ったそうです。よく見ると、木肌に白い彩色があり、その上に花鳥が描かれています。再建にあたり、使って欲しいと申し出があり、オリジナルの天井が復原されました。
そして注目していただきたいのは変わった照明。

籐で編んだ照明はオリジナルの部材を再現したもの。これさ、今でもおしゃれなカフェの照明でも十分通用する。昭和14年の作品なんですよ。(しつこい?)よく見ると食堂と玄関には共通するデザインがあちこちにあります。

食堂の隣室の居間。実は間に間仕切りも壁もない。一つ続きの空間です。

この画像だとひと続きの空間だとわかるかな?
こちらも喫茶室に利用されていて、お客さんが芝庭を眺めて談笑していました。上の画像右手に朱色の丸い柱があります。見てきた中に2階の畳のしいたベット?の黒漆の丸い柱。南棟の防音室の黒漆の丸い柱。そして太い赤い柱。これは資料を基に部材を復元したものだそうで。この赤いろは、実は玄関の扉の赤と連動した色になってると、係員さんが教えてくれました。
画像奥にグランドピアノがありますね。時折演奏会が催されてるようです。その時に来れば、素晴らしい建物でコーヒー飲みつつ生演奏を楽しめる趣向。ホームページに演奏会のスケジュールが掲載されているので、訪問前にチェックしてみてください。
居間の小物の北欧風なデザインも素敵だったので紹介。

記号みたいなの。これがモチーフであちこちに散見できます。
 
上の2枚はよく見ると同じではない。係員さんがすりガラスの引き戸を引き出してくださいました。冬とか防寒になるのかな?

照明2点。奥の天井から下がってる照明も同じモチーフと素材が使ってあります。

居間の暖炉です。左右非対称なデザインが日本の床の間の違い棚に通じるデザインで、馴染みます。でもそれは日本人の感性かも?西洋は対称が普通だものね。

居間に隣接してサンルームがあります。
一つ上のサンルーム全体の画像に石のでっぱりが写ってますね。これはオリジナルの建物にも付いてました。何のために付けてあるのか?よくわからないそうですが、左の画像のように植木鉢を飾ってないと、頭をぶつけて危険だとか。

サンルームの画像の左にある、これは〜??花壇なのか?オリジナルの建物にもありました。
係員さん「植木鉢に水やりすると、溢れた水は下から屋外へ排出される設計になっているとか?でも怖いので今は溢れさせたりしません」

サンルーム奥の窓の外の様子。いい感じ。サンルームの窓の外の眺めは、今は木が伸び過ぎですが、本来はこのサンルームからも丹沢山系と富士山が見えたのかも?あ。書き忘れてましたが、サンルームの上が2階の丸い部屋(展示室1)です。
サンルームから居間を振り返ってみた。こんな感じで、ひと続きの空間です。窮屈じゃないね。
サンルームを出ると、2階へ続く階段のホールに出ます。

一昨日紹介した場所ですね。
階段の左側に扉が見えてますね。上に非常口の緑色が見えてます。
ここに3つ扉が並んでいて、中央が玄関ホールの扉です。オリジナルは3つの扉ともラワン材が使われていましたが、今は中央の玄関に通じる扉だけラワン材が使用されています。理由は「ラワン材は虫がつきやすいから!」耐久性に問題があるなら仕方ないですね。

玄関扉を屋内から見たデザイン。

これが玄関ホールから撮影したところ。普段はこの扉は閉じてあります。係員さんが開けてくださいました。屋外から建物に入って一番最初に目にする場所です。

こんな感じです。
玄関は狭いですが、デザインが駆使してあります。
北欧のモチーフ。
画像をよく見てもわかりづらいのですが、見ていただきたいのは壁。これ、白い漆喰で引っ掻いたように塗り上げてから、壁をキャンパスに全体を色づけしてあるんですよ。ちなみに、事務棟や南棟の壁は、漆喰に色を混ぜてクリーム色に調整してあります。
見ていただきたいのは金色と赤っぽい電球色が、階段ホールなどに連続する照明のデザインです。ちなみに、上の画像左下の非常口の緑の扉が、実は俣野別邸の屋外と屋内を分ける玄関扉です。豪邸にしてはとても小さい。今の普通の家と変わりません。
そして一昨日も紹介しましたが、上の扉の内側の床が、栗の木のブロックになってます。

これですね。不思議でしょ?

上の画像は玄関扉を撮影してみた。赤いでしょ?居間の赤い丸い柱とデザインを合わせてるとか。係員さんに説明されないと気づきませんでした!縦長の窓は実は黄色と曇りガラスのステンドガラス。上の画像では分かりにくいので別角度から。

上の画像の右手の非対称の扉の先が控え室。入場料を支払い、靴をスリッパに履き替える場所です。玄関、見るところいっぱいですが、狭いよ〜。素通りしそうです。
さて、係員さんにお礼を言ってお別れ。時刻は10時40分!つまり1時間近く説明してもらっちゃいました!説明料はおいくら万円??とビクビクしてたのですが、なんと無料!!でした〜〜〜!!素晴らしい〜~っ!!ってか、私の記憶力が残念過ぎる。1時間たっぷり説明してもらったのに、記憶がボロボロとこぼれてしまいました〜。この後、もう一度2階に上がりゆっくりしても良かったのですが、実はお腹が空いてどないもこないも〜〜!!
そもそもの計画では、鵠沼で蓮見をして、遊行寺の大銀杏の下にあるベンチで朝ごはんを食べるつもりだったんだよね〜。ところが、旦那が先に先に一人で行っちゃったから、そこで食べれなかったんだよねっ。だから、俣野別邸のお庭で朝ごはんを食べてから建物見学するつもりだったのに、急坂に庭に、先に建物見学する事にしたのでした。さっき、2階から芝庭を見下ろした時にベンチを見つけたので、あそこだ!

ちなみに、上の画像右奥が事務棟の奥にあった書庫。中央奥の竹の囲いが、事務棟和室から見えた和の庭。画像左の木造の建物が、付属屋(非公開)です。ここは焼失を免れた模様。

この画像のがわかりやすいかな?
そしてトップ画像が俣野別邸の外観(南西側より)。ベンチが3つほどあるので、日陰のところでようやくの朝ごはんです〜。

ご飯休憩の後、お庭見学。河岸段丘上の内苑→段丘下の外苑へと見て回ります。長くなったので明日へ続きます。

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