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人間らしい生き方って、何でしょうね。
朝起きて、夜は寝る。
三度の食事をきちんと食べる。
人のためと自分のために働いて、
生きるに足りる糧を得る。
それでまだゆとりがあったら、教養を身につけたり、
芸術に親しんだり、何かを創造したりする。
結婚して子どもを育てるのもいいかもしれない。
…というのが、私のイメージです。
一生懸命やった仕事で人の記憶に残れたら、それは望外の喜び。
お金はあるにこしたことはないけれど、何億もはいらないな。
そして老後には、
図書館に通い、時々映画を観、
小さな庭かプランターに花を植え、
もしも可能なら犬かネコか小鳥を飼い、
キーボードでバイエルのおさらいをしつつ、
ロマンティックな毎日を過ごしたいのです。
…日本で可能なんでしょうか、こんな生活。
イタリアにでも行かないと無理ですかね?
こんなことを考えるのも、
島村奈津さんの『バール、コーヒー、イタリア人』を読んでいるからで。
私はこの人の文章が好きです。
第1章の3節目で、すでに泣きそうになりました。
「どうして、イタリアには、コンビニエンスストアがないんでしょうね?」
「コンビ……そりゃ、何だい?」
「あの、アメリカなんかにたくさんある、夜中も営業しているスーパーのような…」
「どうして夜中に買い物しなけりゃならないんだい?」
島村奈津『バール、コーヒー、イタリア人』より