2010年の『M!』の発表があった時、様々な想いが次々に湧き上がって・・・落ち込んだのは事実です。
が、そんな私が思いがけずに『M!』の製作発表に当選してしまい、目の前で新・ヴォルフの育三郎くんの“想い”を聞き、歌声を聴いた時に思ったことは、
“応援したい”=“見届けたい”
それは、8年もかけて夢を叶える育三郎くんの熱い思いに対するものと、大好きなアッキーが演じないことで代わった、新ヴォルフをアッキーファンである私は、観なければいけないのではないか?という・・・素直でそしてちょっと複雑な使命感(?)
本当は初日に観たかったのですが・・・どうしても日にちの調整ができず、今日に。
『モーツァルト!』 2010・11・28(日) 12:30開演 帝国劇場
ヴォルフガング・モーツァルト 山崎育三郎
コンスタンツェ 島袋 寛子
ナンネール 高橋 由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 香寿たつき
コロレド大司教 山口 祐一郎
レオポルド 市村 正親
セシリア・ウェーバー 阿知波 悟美
アルコ伯爵 武岡 淳一
エマヌエル・シカネーダー 吉野 圭吾
アマデ 松田 亜美
2007年の再々演から3年。セットや演出に大きな変更はなかったと思います。(もちろん多少は有)
全体的に総じて感想をといえば、とにかくこの『M!』という舞台が私はやっぱり大好きで本当にいろいろなことを考えさせられる舞台だった、ということを思い出しました。
懐かしさと、それぞれの立場に感情移入して、何度か涙しました。
自分でもびっくりしたのですが・・・これこそ強制されるわけでもなく、気がついたら自然と拍手を送り、自然と泣いていたのです。
・・・舞台ってすごい。私はやっぱりこんな舞台が好きだと再認識しました。
ヴォルフ以外はみんな以前からの続投キャストなので、もう不安はほとんどなく観れました。
高橋ナンネール
永遠の少女、としか言い表せません。少女時代・・・かわいらしすぎる
が、成長と共に弟に対する愛情と、同時に羨望と不公平感に苦悩する姉の苦しみが増し・・・以前は父と弟の間に入って心を痛めるナンネールというイメージが強かったのに。ベルヒトルトとの夫婦関係も以前に増して冷え切って見えたし、「パパが亡くなったわ」のセリフには、ヴォルフに対しての責めも感じられて
市村レオポルド
3年前に観た時より、更に声に張りを増した(?)市村さん。・・・やっぱり実生活の経験も生かされてる?
市村パパを観ていると、天才の息子の成長を楽しみにしながらも、息子の行く末が心配でならない父親の苦悩がひしひしと伝わって来て・・・
ウイーンで成功した息子を、誉めずにあえて突き放つのは、自分に対する「子離れしなくてはいけない」という想いと、息子の真の自立を望んだからなんだろうな。
山口コロレド大司教
例のシーンは更に細やかな演技に?
お笑担当(?)な部分も含めて、やっぱりこの役の山口さんは、素晴らしい!!
若い才能に気づきながら、それを嫉妬し縛りつけようとする権力者がすごくよく似合っている。もちろん緩急のある歌声にはうっとり
hiroコンスタンツェ
前回から2回目なので、すごく上手になっていて・・・お歌シーンも“hiro”ではなくコンツェとしてしっくりしていたし、演技的にも冒頭の墓探しのシーンも年月が経った感じ(大人になった感)が感じられてよかったです。・・・ちょっと冷酷な声が怖かったけど
香寿男爵夫人
語りかけるような、諭すような、その歌声がとてもおやさしいです。
「星から降る金」は、その歌に込められた想いとそのシーンでの父と息子の心情描写が素晴らしくて・・・聴いているうちに本当に涙してしまいました
吉野シカネーダー
パワーアップしていると、噂は聞いていたけれど・・・
登場から「ワタシガ~ダレダカ~ゴゾンジカ~ァ~??」
なんで謎の外人に・・・
そして、ショーのシーンはもうこれ以上ないでしょ、といわんばかりのノリノリ感!!
ステッキを操り、ステップもピシピシ決まって、パフォーマンスもばっちり。
(・・・なぜだか吉野さんが『RENT』のモーリーンだったら?と想像してしまった)
そして注目の育三郎ヴォルフ
熱い!!若い!!
緊張と気負いからか、とにかくすべてが力強く一生懸命。
ドレッドヘアがボリュームがあるのとおでこが丸出しなのですごくはっきりした印象。でも、元々が目鼻立ちがぱっちりなのにメイクが濃すぎかなぁ・・・
衣装はなんだかやけにキラキラ(?)赤いコートもどことなく立派に。
それと、靴は黒い短ブーツでスタイリッシュでした
・・・なのに、あの例の白い鬘はなんだかハリハリのへんなの(笑)
「僕こそ音楽」、その力のこもったうれしそうな歌声を聴いていたら・・・ふと、私の方が素に戻って“ああ、今、育三郎くんはヴォルフとして夢を叶えたんだ”と思ったら、なんだか感動してしまって・・・
お歌はやっぱり上手いと思いました。どちらかといえば、やっぱりコンツェとの「愛していれば・・・」のようなラブソングの方が似合ってるかな。
育三郎ヴォルフは、どちらかと言えば“天才”でも“秀才”でもなく・・・“普通”の男の子のように見えました。それは、育三郎ヴォルフが常に一緒にいるアマデに、才能の部分を全面的に託していて、自分はすごく自然体でリアルなヴォルフを生きているように見えたから。
若さに任せて、自由に生きたくて、自分の才能を信じて、やりたいことをやってみたくて、恋をして、仕事をして、悩んで・・・普通の若者が成長していくのと同じ。
そして家族との、特に父と息子の関係、絆が強く「どうしてわかってくれないんだ!」と苛立ち、反発するものの、やっぱり父を愛して頼っている感が強かった気がします。
父の死を知ったあと、パリで革命が・・・とのシーン、皇帝は父だ、というのに対して「(大人になった男に)父はいらない!!」と強く言い放つ育三郎ヴォルフ。父との決別は、彼にとって“革命的”なことだったんだと、初めて理解したような気がしました。
う~~~ん。
とにかく初見の育三郎ヴォルフ、思った通り奮闘していて一生懸命で・・・そして、誰かの真似じゃない彼なりのヴォルフを模索しているのでしょうね。その若々しい体当たりの演技は好感が持てました。
それと・・・
今日の松田アマデ
・・・すっごい!!
こんなにかわいいお人形のような、それでいて真っすぐな眼光の鋭い恐ろしいアマデは久々。
片時も離さない譜面帳と“才能の小箱”に対する執着も、父レオポルドに♪私ほどおまえを~と歌われて育三郎ヴォルフが動揺しても、都会へ!とヴォルフを急き立てる強い視線のアマデにドキドキ。
コンスタンツェ母とトーアヴァルトが結婚を迫ってヴォルフとコンツェのいるところに押し掛けてくる時、なにげにアマデがそれを手助けしたように見えたのにもゾクッ
アマデは才能の化身なので、悩むこともなければ家族の情に流されることもない。
曲が書けなくて、そのためにヴォルフの腕を刺し血を流すことも厭わない・・・怖かった。
観慣れているシーンのはずなのに、本当に怖かったのです
(育三郎ヴォルフが歌っている時、このアマデの表情が気になって仕方なくて・・・オペラでずっと追ってしまいました・・・)
この『M!』・・・やっぱり奥深い。
実は他にもいろいろと感じることもありましたが・・・それは後日(?)
さあ、来月は、井上ヴォルフに会いに行きます。
が、そんな私が思いがけずに『M!』の製作発表に当選してしまい、目の前で新・ヴォルフの育三郎くんの“想い”を聞き、歌声を聴いた時に思ったことは、
“応援したい”=“見届けたい”
それは、8年もかけて夢を叶える育三郎くんの熱い思いに対するものと、大好きなアッキーが演じないことで代わった、新ヴォルフをアッキーファンである私は、観なければいけないのではないか?という・・・素直でそしてちょっと複雑な使命感(?)
本当は初日に観たかったのですが・・・どうしても日にちの調整ができず、今日に。
『モーツァルト!』 2010・11・28(日) 12:30開演 帝国劇場
ヴォルフガング・モーツァルト 山崎育三郎
コンスタンツェ 島袋 寛子
ナンネール 高橋 由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人 香寿たつき
コロレド大司教 山口 祐一郎
レオポルド 市村 正親
セシリア・ウェーバー 阿知波 悟美
アルコ伯爵 武岡 淳一
エマヌエル・シカネーダー 吉野 圭吾
アマデ 松田 亜美
2007年の再々演から3年。セットや演出に大きな変更はなかったと思います。(もちろん多少は有)
全体的に総じて感想をといえば、とにかくこの『M!』という舞台が私はやっぱり大好きで本当にいろいろなことを考えさせられる舞台だった、ということを思い出しました。
懐かしさと、それぞれの立場に感情移入して、何度か涙しました。
自分でもびっくりしたのですが・・・これこそ強制されるわけでもなく、気がついたら自然と拍手を送り、自然と泣いていたのです。
・・・舞台ってすごい。私はやっぱりこんな舞台が好きだと再認識しました。
ヴォルフ以外はみんな以前からの続投キャストなので、もう不安はほとんどなく観れました。
高橋ナンネール
永遠の少女、としか言い表せません。少女時代・・・かわいらしすぎる
が、成長と共に弟に対する愛情と、同時に羨望と不公平感に苦悩する姉の苦しみが増し・・・以前は父と弟の間に入って心を痛めるナンネールというイメージが強かったのに。ベルヒトルトとの夫婦関係も以前に増して冷え切って見えたし、「パパが亡くなったわ」のセリフには、ヴォルフに対しての責めも感じられて
市村レオポルド
3年前に観た時より、更に声に張りを増した(?)市村さん。・・・やっぱり実生活の経験も生かされてる?
市村パパを観ていると、天才の息子の成長を楽しみにしながらも、息子の行く末が心配でならない父親の苦悩がひしひしと伝わって来て・・・
ウイーンで成功した息子を、誉めずにあえて突き放つのは、自分に対する「子離れしなくてはいけない」という想いと、息子の真の自立を望んだからなんだろうな。
山口コロレド大司教
例のシーンは更に細やかな演技に?
お笑担当(?)な部分も含めて、やっぱりこの役の山口さんは、素晴らしい!!
若い才能に気づきながら、それを嫉妬し縛りつけようとする権力者がすごくよく似合っている。もちろん緩急のある歌声にはうっとり
hiroコンスタンツェ
前回から2回目なので、すごく上手になっていて・・・お歌シーンも“hiro”ではなくコンツェとしてしっくりしていたし、演技的にも冒頭の墓探しのシーンも年月が経った感じ(大人になった感)が感じられてよかったです。・・・ちょっと冷酷な声が怖かったけど
香寿男爵夫人
語りかけるような、諭すような、その歌声がとてもおやさしいです。
「星から降る金」は、その歌に込められた想いとそのシーンでの父と息子の心情描写が素晴らしくて・・・聴いているうちに本当に涙してしまいました
吉野シカネーダー
パワーアップしていると、噂は聞いていたけれど・・・
登場から「ワタシガ~ダレダカ~ゴゾンジカ~ァ~??」
なんで謎の外人に・・・
そして、ショーのシーンはもうこれ以上ないでしょ、といわんばかりのノリノリ感!!
ステッキを操り、ステップもピシピシ決まって、パフォーマンスもばっちり。
(・・・なぜだか吉野さんが『RENT』のモーリーンだったら?と想像してしまった)
そして注目の育三郎ヴォルフ
熱い!!若い!!
緊張と気負いからか、とにかくすべてが力強く一生懸命。
ドレッドヘアがボリュームがあるのとおでこが丸出しなのですごくはっきりした印象。でも、元々が目鼻立ちがぱっちりなのにメイクが濃すぎかなぁ・・・
衣装はなんだかやけにキラキラ(?)赤いコートもどことなく立派に。
それと、靴は黒い短ブーツでスタイリッシュでした
・・・なのに、あの例の白い鬘はなんだかハリハリのへんなの(笑)
「僕こそ音楽」、その力のこもったうれしそうな歌声を聴いていたら・・・ふと、私の方が素に戻って“ああ、今、育三郎くんはヴォルフとして夢を叶えたんだ”と思ったら、なんだか感動してしまって・・・
お歌はやっぱり上手いと思いました。どちらかといえば、やっぱりコンツェとの「愛していれば・・・」のようなラブソングの方が似合ってるかな。
育三郎ヴォルフは、どちらかと言えば“天才”でも“秀才”でもなく・・・“普通”の男の子のように見えました。それは、育三郎ヴォルフが常に一緒にいるアマデに、才能の部分を全面的に託していて、自分はすごく自然体でリアルなヴォルフを生きているように見えたから。
若さに任せて、自由に生きたくて、自分の才能を信じて、やりたいことをやってみたくて、恋をして、仕事をして、悩んで・・・普通の若者が成長していくのと同じ。
そして家族との、特に父と息子の関係、絆が強く「どうしてわかってくれないんだ!」と苛立ち、反発するものの、やっぱり父を愛して頼っている感が強かった気がします。
父の死を知ったあと、パリで革命が・・・とのシーン、皇帝は父だ、というのに対して「(大人になった男に)父はいらない!!」と強く言い放つ育三郎ヴォルフ。父との決別は、彼にとって“革命的”なことだったんだと、初めて理解したような気がしました。
う~~~ん。
とにかく初見の育三郎ヴォルフ、思った通り奮闘していて一生懸命で・・・そして、誰かの真似じゃない彼なりのヴォルフを模索しているのでしょうね。その若々しい体当たりの演技は好感が持てました。
それと・・・
今日の松田アマデ
・・・すっごい!!
こんなにかわいいお人形のような、それでいて真っすぐな眼光の鋭い恐ろしいアマデは久々。
片時も離さない譜面帳と“才能の小箱”に対する執着も、父レオポルドに♪私ほどおまえを~と歌われて育三郎ヴォルフが動揺しても、都会へ!とヴォルフを急き立てる強い視線のアマデにドキドキ。
コンスタンツェ母とトーアヴァルトが結婚を迫ってヴォルフとコンツェのいるところに押し掛けてくる時、なにげにアマデがそれを手助けしたように見えたのにもゾクッ
アマデは才能の化身なので、悩むこともなければ家族の情に流されることもない。
曲が書けなくて、そのためにヴォルフの腕を刺し血を流すことも厭わない・・・怖かった。
観慣れているシーンのはずなのに、本当に怖かったのです
(育三郎ヴォルフが歌っている時、このアマデの表情が気になって仕方なくて・・・オペラでずっと追ってしまいました・・・)
この『M!』・・・やっぱり奥深い。
実は他にもいろいろと感じることもありましたが・・・それは後日(?)
さあ、来月は、井上ヴォルフに会いに行きます。
ところで、アッキーの『LOVE LETTERS』は行かれるのですか??
>観なければいけないのではないか
という使命感のようなものも、全く同じです。不思議ですね。
育三郎さんが本当に体当たりで自分のヴォルフを演じているのがよくわかりましたので納得できたし、素直に新しいヴォルフを受け入れることもできたように思います。
まぁ、完全に吹っ切れたかと言うと微妙なところもありますが…(下の記事の「どうしてわかってくれないんだっ!!」の辺りですかね)。
私も次はヨッシーヴォルフを観に行きます。こちらも楽しみです。
山口さん、お笑い部分も含めてやっぱり素晴らしいです
私はこの“コロレド大司教”が一番好きかも(笑)
>アッキーの『LOVE LETTERS』
残念ながら今回はパスです
アッキーファンだからこそ、アッキーのいない『M!』の行方を見届けたかったのです。
育三郎ヴォルフは健闘していたと思います。
・・・同時に、アッキーヴォルフがどれだけ素晴らしかったか、どれだけ好きだったかを再認識したのも事実ですが
「どうしてわかってくれないんだっ!!」
このセリフはやっぱり青山ではなく、帝劇で聴きたかった、と心の奥底で思ってしまうのも事実、でしょ?
ぜ~んぶ含めて『M!』という舞台の素晴らしさに3年ぶりに酔いしれました