脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ボケはじめには自覚があるようです。

2013年05月09日 | 認知症からの回復

P1000318_2連休中はすっかり遊んで、もとい、右脳訓練にいそしんでいました。

伊豆に移住して13年になりますが、すてきなカフェを見つけて友人を誘って3回も行ってしまいました。
J-GARDEN

この庭を13年かけて手作りしたオーナーのことはブログで紹介しましたね。
感性でシャングリラ完成へ

さあ、今日は久しぶりにちょっと勉強をしましょうか。

エイジングライフ研究所は、「認知症は、もともと老化する宿命を持っている脳がその老化を加速させてしまった状態だ」と主張しています。
老化を加速させるのは、脳の使い方不足、つまり生活習慣病というとらえ方です。

Photo_2左図には、説明不足があります。
(講演で使いますから、言葉で補ってます・・・)

人生の大きな出来ごと・生活の大きな変化が起きれば必ず、脳が老化を加速していくわけではありません。

人生の大きな出来ごと・生活の大きな変化が起きたとき、その状況を受け入れてうまく対応することができない時が危険なのです。
その状況に負けてしまったと考えるといいでしょう。

「退職して3年たったらボケちゃった」とか「配偶者に死に別れたらあぶないよね」とよく耳にしますね。
脳の機能、脳の使い方という観点はなくても、ボケてしまった具体例をたくさん目や耳にすればするほど、生活の知恵的な結論としてこういわれるのでしょう。

でも、退職した人がみんなボケますか?独り身になったら必ずボケますか?

Photo_3_2私たちが生きていくときには、「必ず常に前頭葉が状況を判断して、見通しを立てて、行動を決定して、その経過を見守り、修正もかけて、最後には自分なりの評価を下す」ということの繰り返しなのです。

その前頭葉の出番が足りない状況こそが危険な状態なのです!

自分の前頭葉が出番を持ってイキイキしているかどうかを決めるのが、ほかならぬ自分の前頭葉というところに注目してください。

周囲の人からは、変わらず普通に生活しているといくら評価されていても、本人の前頭葉が「イヤイヤ、この生活は私にとってちょっと違う。私にはもっとイキイキとした生活があるはず」とモンモンと思うとき、そこが脳が加速を始める岐路のほうを向いたということです。

岐路に入ったのではないのです。あくまでも岐路のほうを向いたということです。

手作り酵素がハート型のアワを!
P1000329その時その人はどのように感じるでしょうか?

最近続けて、ちょうどその状態にいる人たちと話す機会がありました。

私たちは年齢とともに種々の失敗をしでかしてしまいます。
「ありえな~い」と自分で呆れてしまうような間違い。
60代のある友人は「受診予約を2回もすっぽかしてしまった」と真剣にいいました。
すると居合わせたみんなが、「あるある。私も」と具体例が続出!
でも、私は思いました。「真剣に」いったのです。
同じような失敗はするかもしれません。でも、その時に自分なりの理由がつくことがほとんどです。
病気の症状がよくなったから。逆に体調が悪化したから。急に用事が入ったから(来客・電話など)。
ちょっとドキドキはします。でも他ならぬ自分の前頭葉がきちんと状況判断をして、「これなら年齢相応だろう」と自らを慰めるのではないでしょうか?

アンジェラの花びらもハート型
P1000333別の友人が言いました。
「最近何か変なの。なんだかもっとテキパキできてたと思うのに。動作もトロいし、意欲も出ないというか・・・とにかくなんだか違うのよね」

おしゃれもしているし、おもてなしも見事だし。

「私たちの年齢になればふつうよ」と自分の失敗例を挙げて慰めることもできたのです。

でもその時も私は感じました。
「何か違和感を覚える。私ってこんなものだろうか。いや違うはずだ」とこの人は真剣に訴えている。

二人に私は言いました。
「最近、といってもたかだか半年くらいだけど生活が大きく変わったことはなかったの?」

シンビジューム満開
P1000278二人ともあったのです!
一人は、半年前に追突されて、その後むち打ち症発症。その症状というよりも、病院での対応や保険会社の人からの「なかなかな治りませんねえ・・・」というような言われ方で、落ち込んでしまったそうです。
「生活はそれなりにやってるんですけどもね」

イエイエそれどころか、立派にやってますよ。でも、前頭葉が「こんな生活は違う!」って言ってるんですよね?

生活をどう変えるか。
答えはもう見つけていました。
「弁護士さんに入ってもらってすっきりさせることにしました!」これで元の老化の道に向き変ったということです。

今年もバラが咲き始めました
P1000332もう一人は、ボランティアで団体の代表をしていたのですが、年齢を考えて後進に道を譲ったといいます。半年前に!

強制されたわけではなく、自分の前頭葉が決断したことなのですが、「そのこと」がなくなってみたら、「その状態」を前頭葉は納得いかないものと思っているのでしょうね。

さあ、前頭葉が満足いくものを見つけるのも、自分の前頭葉ですよ。見つかったら教えてくださいね。

二人とも外から見たら満点の生活ぶり。趣味もあるし、友達も多いし、運動もしているし。
でも本人の前頭葉が満足しないとき、少なくとも脳の老化が加速される道を向くということです。
認知症の予防はここからです!



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