脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ひだまりプールor純金こけしー十日町市川西支所

2007年10月06日 | 各地の認知症予防活動

十日町市川西支所に行ってきました。
実は去年の夏には同じ十日町市松之山支所に伺いましたので、その時のブログ「高齢化率43%」も読んでください。
山深い松之山の風景と、「いう事を一生懸命ききますよ」という素直さがそのまま伝わってくるような皆さんのお顔を思い出しながら、今回もほくほく線十日町駅に降り立ちました。

出迎えてくださった、川西支所健康福祉課の小野塚課長・津端課長補佐(保健師さん)とさっそく「ボケ予防」について話が始まります。
エイジングライフ研究所が主張する「正常者からの予防こそ、予防活動の本体。当然のことながら住民主体の自主活動が目標です。」に対し
小野塚課長「その通り!」
「ただ、雪深い土地柄と、米作中心の農村地帯ということで、住民の方々は保守的・受動的な傾向が強いのではないのでしょうか?」と案ずる私に対して
「それが違うんですよ、川西は」と答えられます。

妻有(つまり)名物、ふのり蕎麦をいただきながら、話が続いていきます。
「ふるさと創生一億円がありましたね。あれで温泉を掘ったんです」
「よくあるパタンですね」Kawanisi004
「そこからがちょっと違います。川西にとって、どのようにこの温泉を生かしていくのがベストなのかを、住民とともにワークショップを開きながら練り上げていったんです。

「新しい賑わい空間の創出」ということで、町の中心部の再開発を目指しました。千手温泉Kawanisi001 を核に ひだまりプールコミュニティセンタKawanisi002 Kawanisi003も住民とともに意見を出し合いながら作り上げることができました」

「決してお仕着せでない。住民の意向が反映されている。川西の住民は意見や希望を言ったのだ。」ということを強調されるのです。

こういう住民気質は大歓迎。
何がこの気質を育てたのかという話になっていきましたが、結論ははっきりしません。ひとつは街道筋で進取の気性があった点。もうひとつは「住民参加」という行政からの働きかけが継続的に行われていたのではないかということになりました。(このひとつは保健師さんによる保健予防活動だったかもわかりませんね)

ひだまりプールの高齢者対象の水中運動教室参観に行きました。
お若い女性のインストラクター(こういう方々もプールの活用ということで、住民の中から育ってこられたそうです)から
「教室の前と後で変わったことは?」と質問されて、みなさんは
「肩や首のハリがなくなった」「風邪を引かなくなった」などと答えられました。
そこで私が「肩のハリはなくなったでしょうが、生活のハリができたんじゃないですか?」というと、間髪いれずに大笑い。
みなさん、さすがに体も脳も若いんですね・・・これも正常者からのボケ予防活動。

この水中運動教室に参加することは、確かにボケ予防になっています。
エイジングライフ研究所が主張するボケ予防教室との差は、ひとえに脳機能検査が実施されていない点なのです。目的意識や継続性、そして安心感。それらは脳機能という客観的な指標を示すことで、明確化されるのです。

小野塚課長がおっしゃるには、このプールのランニングコストが年間2400万円かかるそうです。
10以上の教室が多くの参加者でにぎわっているのです。「これだけの高齢者が、このプールでイキイキと生きられるとしたら、介護が必要な状態と比較してコスト計算をしていただきたいもの。それでも足りなければ、受益者負担で料金設定を高くしてもいいのでは。だってボケるよりはいいと皆さんは言われますよ」とつい言ってしまいました。

お金といえば、去年、青森県黒石市に行きました。こけし館に連れて行っていただいて純金こけしを見ました。あの「ふるさと創生1億円事業」で高さ約50cm重さ58Kg位のこけしを作ったのですが、財政難で売却の話になったそうです。1億2千万円くらいの価値になっているらしく、損ではないそうですが、住民感情としては悲しいものがあるはずです。
お金の使い方は前頭葉が決めます。経験を生かし、見通しも持った判断をしていきたいものだと思います。

翌日コミュニティセンターのホールで開かれた講演会も大盛況。階段に座る方までいるほどでした。昨日からの事前学習のおかげで、反応のよさは、すぐ納得できました。
十日町市のモデル教室が育っていくことを期待しています。
付録大地の芸術祭 光の館


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