昨日来客と「変形性膝関節炎と女中膝」の話をしました。そうしたら今朝の産経新聞(令和元年9月2日)に「変形性膝関節症(膝OA)」の記事(青字で表現してあります)が掲載されていました。なんという偶然でしょう。
記事の概要は「膝OAの患者は40歳以上で推定2500万人で、これは約3人に1人で「国民病」のひとつといえる。しかし受診しない人が多いのは治療面から言うと問題」
記事の後半は「膝OAと認知症」
以下は引用です。「認知症の入り口のひとつは、社会参加を抑制する要因となる『要介護状態』だとI教授。『痛みが出ている部位の可動域が狭まり、筋力が低下する。それに伴い移動能力も低下し、運動器疾患の重度化や転倒による骨折などにより、寝たきりや要介護となる恐れもある』と話し、結果的に認知症につながる可能性を懸念する。」
お菓子を教えていただきました。「金時芋クレープ包み マロンのかくれんぼ」
家にあった裏ごしした栗、渋皮煮、製菓用チョコレートでアレンジすることにしてさっそく挑戦。クレープの材料は手近なものです。小麦粉35gで10枚焼きました!
本題に戻りましょう。
私はこの記事を読んだときに当然ながら疑問もわきましたが、ちょっと感動もしたのです。
「認知症(今回の認知症はアルツハイマー型認知症のことですね)の入り口のひとつは、社会参加を抑制する要因となる要介護状態」と解説されていました。研究分野では、その発症原因はいまだ確定されてはいないものの、1.アミロイドベータ。2.タウタンパク。3.脳の萎縮でしのぎを削っているのではなかったですか?
ところが、「人間科学」を専門になさっているI先生は、認知症高齢者に限らず多くの高齢者の現実をご覧になることも多いのではないかと思います。そうすると運動能力低下が生活の不活発化を進め、骨折など起きると結果的に認知症(大ボケでしょう)につながるという具体的なケースを、多分多数把握なさったのだと思います。まさに実感。
私たちエイジングライフ研究所は、「アルツハイマー型認知症は脳の生活習慣病。生きがいも趣味も交遊も運動もしないナイナイ尽くしの生活が脳の老化を加速させる」と主張してきました。
足腰、もちろん膝も!痛みがひどくて、それまで暮らしてきたようなその人らしいイキイキとした生活ができなくなることが、ボケ始めるきっかけになることはよくあることです。ここで気づいていただきたいことは、運動能力や移動能力の低下だけでなく、そのことによって脳機能(特に前頭葉の意欲)の低下を引き起こすことの方が、より直接的に認知症の道を進むことになるということです。
上の主張に運動能力だけでなく「脳機能」が考慮されていたら…このモヤモヤ感をどう表現したらいいのでしょうか?
そう思いながらも、一方では生活ぶりと認知症が切っても切れない関係にあるということは、世の中の方々にとっては自明の理なのだということにも思い至りました。
そうなのです。自分の前頭葉が、自分らしく生きていると十分に納得して生き続けることができれば、それこそが認知症を遠ざけることに直結するのです。膝に痛みが起きて移動が困難になれば、もちろん脳の健康には不利です。
でも、前頭葉がイキイキしていれば、受診という判断もするでしょうし、治療にも取り掛かるでしょう。前頭葉さえイキイキしていれば、その制約的な生活の中でも喜びや楽しみを見つけることはできるのです。