脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

国立近代美術館工芸館へお別れに

2020年01月23日 | 私の右脳ライフ
ネットを見ていたら、国立近代美術館工芸館が金沢に移転するニュースが飛び込んできました。10年以上も前に行った後しばらく行っていません。
宗雪さんの写真展「TOMSの会」鑑賞の戸畑高校同窓会女子会のメンバーに声をかけて一緒に訪れてみました。

建物自体が重要文化財。旧近衛師団司令部庁舎。
お別れ展覧会ですから、錚々たる作品が揃っていました。私でも知っている人間国宝作家の作品のオンパレード。
私は小学生の時から茶道(もちろんお遊び)を始め、30代40代のころは、結構練習に励みました。茶道は間口が広いので、焼き物、塗り物、布、様々な作品に出合うことを楽しみにしていた時代でもあります。
お茶碗を一つ見るだけでも、と美術館巡りもずいぶんしたものです。

近代美術館ですから、明治期からの作品です。
明治初期の超絶技巧といえば宮川香山。

3年前にも香山に出会ってます。
冬晴れの一日、美術館巡りー宮川香山展 
この時、作品にも驚かされましたが、社会体制が大きく変わり需要がひっ迫する中で明治期の作人たちが、いかに志を高く持って作品作りをし、世界に問いかけたかをちょっと誇らしくも感じました。

鈴木長吉「十二の鷹」
この作品は明治26年(1893年)に開催されたシカゴ万国博覧会に出品された全作品の中で最も高い評価を得た作品といわれています。
実際に鷹を飼って生態を観察したうえで、満を持して制作したという説明がありました。
明治期前半は、それまでに培っていた美術工芸の技術を、海外にどのように適合させていくかという時代だったと思います。
その後は、歴史に学ぶという流れが出てきたのですが、桃山時代の備前焼への回帰に成功した、備前焼中興の祖 金重陶陽の作品や、唐三彩に目を向けた石黒宗麿の作品など、大学時代に出会ったことがあるものがずらっと展示されていました。

松井康成 練上嘯裂文大壺「西遊記」こんなモダンな作品も。

私たちの世代では、輪島塗というと前大峰。きれいでした。

鹿児島寿蔵の紙塑人形。なんだか懐かしさがこみ上げてきました。

染色分野。ろうけつ染めの縦3m以上の大作。

型染の芹沢銈介作品。

今年1月3日、銀座線新渋谷駅の移設工事が終了し、使用が開始されました。
銀座線は昭和2年、アジア・オセアニア地域でも初めての地下鉄路線として開通したそうですが、90年くらい前のポスターが展示されていました。このポスターには確かに 「東洋唯一の地下鉄道」というキャッチコピーが使われています。
右からの横書きです。このことについてちょっと調べてみたことがありますから、興味ある方はご参考までに。

一つ一つ見るだけなのに、結構疲れます。
建物の中央部分2階はロビーのようになっています。

手前に、重厚な感じの椅子が備えられていました。

なんとこの椅子の作者は黒田辰秋。TOMSの会で、宗雪さんが京都進々堂の魅力的な椅子のことをお話しくださった、その椅子の作者と同じ。座れます!
千鳥ヶ淵を眺めながら麹町駅へ。

今日もまた、右脳活性化に励んだ楽しい一日でした。
後日談。
10日ほど後の新聞記事です。

なんとうれしいこと。体験があって解説されると理解が進みます。あれも納得、これも納得。そうそうその通りだった。と記事を読み進めました。
あの日の楽しさ、充実感が倍増しました。
黒田辰秋作の椅子はこちらの角度の方がよくわかりますね。椅子の左右は1階に降りる階段なのです。


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