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脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳機能検査をする意味

2024年03月31日 | 二段階方式って?
エイジングライフ研究所が提唱する認知症の早期診断法「二段階方式」は、まず脳機能検査を実施して脳機能の状態を測ります。その時、普通に使われている認知機能検査だけでなく、前頭葉機能に特化した検査を行うことが大きな特徴で、脳機能を二段階に分けて測るために「ニ段階方式」と名乗っているわけです。横軸の「かなひろい(御者の働き)」が前頭葉検査です。

普通の認知検査で測られるものは高次機能と言われるのですが、前頭葉機能は最高次機能とでも言わなくては、実態を表すことになりません。
3/31の庭の花たち

(牧野富太郎が最も好んだと言われる稚木桜)
世界でよく使われている認知検査(知能検査)であるMMSEやWAISで見事に合格した人たちの中に、前頭葉検査不合格の人たちがいるという事実を知っている人はほとんどいないでしょう。
二段階方式では、MMSEが満点の30点でも、安心せずにむしろ緊張して丁寧に前頭葉検査に取り掛かるようにと研修会では口を酸っぱくしていいます。
MMSEが不合格ならば、前頭葉検査は不要!高次機能に問題があれば最高次機能が機能しないのは当然でしょう。
ムスカリ
MMSE合格で前頭葉検査不合格の方に出会った保健師さんが「不思議なケースに出会いました」と何度も報告してくれました。
普通に見当識や記憶や計算力や言語関係の検査、図形の模写までもスラスラできて、満点。それなのに前頭葉検査になった途端に別人のように四苦八苦してしまうのです。

ペチコート水仙(バブルコジウム)
一般的な認知検査(知能検査)は見当識や記憶力や計算力や言語関係の検査、図形の模写などの「高次機能」をチェックします。
前頭葉機能は、それらの「高次機能」を手足のように使う「最高次機能」です。
状況を判断して、自分の行動を決断し、場合によったら修正をかける。
物事を発想し計画を立てる。
感動したり、抑制をかけたりする。
注意集中力と注意分配力。
分配力こそヒトの行動のベースにあるものですが「何を知っているかをチェックする」認知検査では分配力はおろか上記の機能を測ることは困難です。そしてこれらの機能こそがその人らしさをかたちづくっている…

貝母
鈴蘭水仙
高次機能が合格のテストをしている時にはテスターは安心もしなんだか嬉しくなるものです。その時こそ、前頭葉機能が万全かどうかを慎重に見極めないといけません。
「MMSE合格者の中には、前頭葉機能合格者と不合格者がいる!さあ、どちらの群の方だろうか」という姿勢が必要なのです。

ヒアシンス

カンパニュラ
前頭葉機能はその人らしさの根源です。だからこそ、不合格の時には先行して行ったMMSEで感じた「ちゃんとできている」という印象が砂上の楼閣に過ぎなかったというショックを強く感じてしまうのでしょう。
MMSEが不合格ならば、前頭葉機能は不合格ですから、その確認をするだけです。
西洋石楠花、チラリと紅花トキワマンサク、その向こうに稚木桜。
保健師さんたちを見ていて気づくことですが、「よりよく評価してあげたい」傾向が強いということです。
確かに一般的な「試験」なら、そのような温情も意味がある時があるかもしれません。
でも脳機能検査の時は、そのような態度ははっきりと間違いだと言わなくてはなりません。
できることは二の次で、できないところを探す姿勢で臨まないと検査をしている意味がありません。
できることは良いことで、できないことは悪いことという到達度チェックの検査に慣れすぎています。

フリージア

金時草
良い成績を確認するのではなく、思いがけない「穴」があるかないかをチェックしているのです。
「穴」が見つかれば、生活を支えるために何が必要かを考えることができます。
例えば、生活の援助をする時に腕がどのくらい上がるのかということを調べるとします。
上がって当たり前と思ったり、上がるに違いないと思って省略したら、実際は上がらないのに適切な援助ができないことになってしまいます。運動機能なら正確にチェックする(できないことをはっきりさせる)ことに抵抗がないのに、脳機能はできないことを明らかにさせることを躊躇う…できるものと思ってあげたい…



雲南黄梅
繰り返します。
二段階方式では脳機能検査は脳機能の状態を知って、生活遂行能力を推し量るために実施しているのですから、勇気を持って、脳機能が正しく反映されたテストを心がけてください。
二段階方式は、続けて30項目問診票、生活歴の聞き取りという段階を経て、その方がアルツハイマー型認知症であるかないか、重症度、脳の老化を加速させた期間までが理解できるのです。所要時間はたかだか40〜60分です。
by 高槻絹子



詳しいブログです。
「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」
http://blog.goo.ne.jp/kinukototadao












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