脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

台風19号

2019年10月17日 | 前頭葉の働き
9月の台風15号に続き、10月の台風19号。甚大な被害をもたらして去っていきました。次々に入ってくる被害状況には言葉もありません。
このブログを読んでくださっている皆さまのご無事を祈りながら筆をとっています。
19号は私の住んでいる伊豆半島直撃のコースでしたから、たくさんのご心配のメールやお電話をいただきました。
繰り返し報じられる「未曽有の規模・最大級のレベルのつもりで準備するように!」という言葉。915ヘクトパスカルという見ることのない低い数値。先の狩野川台風の惨状。
それらにあおられるように、台風対策をしなくてはと焦ります。知らないものに対して準備をしなくてはいけないというのは、本当に難しいもので、行動を決定するためには、いくら乏しくても自分の体験(前頭葉)こそがそのベースを作るものだと実感しました。
台風が過ぎたイガイガ根(これは去年の写真)

あふれるばかりの情報は左脳にダイレクトに入ってきます。新聞や雑誌。ネットや伝聞から得た情報。この「知識(知っている)」は、もちろんないことに比べると有効なのですが、かといって「知識」があると、どんな状況でも切り抜けられるものでもありません。状況をくぐり抜けるのは、自分の前頭葉だけが頼りです。
私は東日本大震災の時、岩手県にいました。避難所ではなく知人のお宅に泊めていただきました。自家発電機まであるというとんでもなく恵まれた環境でしたが、それでも電気と水がない生活は、生活上の不便と精神的な大変さがともに起きてくることを実感しました。
乏しい体験と前述しました。
これは訂正が必要でしょう。台風と地震という差はありましたが極限に近い生活を体験したことがあるのは、私の武器でもあります。このような体験があると、左脳ベースの「知識」に血肉がついてくるのです。前頭葉が吸収した、体験することによって身につけることができた「知恵(実行できる)」とでもいえばいいのでしょうか。とにかく「知識」が「使える」状態になります。

かといって、災害の現場に行き合わせることは、めったにないでしょうし、またできれば避けたいことでもありますね。
「知識」は大切です。それをどのように有効化させればいいのか…
たしかに、今回の大惨事につながってしまった種々の条件が解明、解説されて私たちの理解を深めてくれました。新聞報道にしろテレビ放送にしろ、この納得への道は、左脳の力なくしては無理なのです。
一方でさまざまな台風による惨状が、何度もテレビ放送されました。言葉だけよりも映像。それも写真よりも動画。その順に実体験に近づいてきます。
ライブ映像の持つ訴える力は、結果の惨状を伝えるものに比し圧倒的です。
この影響力というか教育力を考えるとき、自分のいるところの危険性の判断から始まって、何が見逃がしたらいけない兆しであり、どういうふうに変化していくか、どこが分岐点になるかなどなど、災害に対処し、安全につなげるときに必要な情報の視点で、ビジュアルを使って再報道されなくてはいけないのではないかと思います。

「今」だけ報道を過熱させる方向ではなく、落ち着いてから惨事がもたらした教訓を、まさに教育的配慮をもって報道していただきたいと思います。
今回たくさんの友人とやり取りをしましたが、こんな話を聞きましたのでまとめておきます。
堤防が決壊した町の保健師さんの話(避難所を担当したそうです)
「非常持ち出し品は一応用意もしてたけど、さて避難所に行くとなると何を持っていくけばいいのか、私でも悩んでしまった。避難所に行くのと非常持ち出しとは違うでしょ?
実際に避難所を担当してみるといろんなものがあるといいなあって思った。
例えば、食べるもの。配給があるといっても最低限なので、嗜好物を含めて。カセットコンロと鍋があるといろいろできるし。寒くなるので着るもの。毛布か寝袋。ティッシュや濡れティッシュ・・・」

思いがけないものが次々に出てきます。避難所に行ったことがないので、それこそテレビ報道が頼りです。公民館の一室もあるでしょうし体育館のようなところもありますね。避難するタイミングによっても差が出るでしょう。
状況はさまざまに違うでしょうが、今回このような「生」の情報を聞いたことは私にはとても参考になりました。

私の報告です。おかげさまで、風雨は確かに今までで一番だったかもしれませんが、特段の被害はありませんでした。
ご心配くださって、ほんとうにありがとうございました。






コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。