脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

小布施町脳のリフレッシュ教室(北部)

2013年06月27日 | 認知症予防教室

小布施町は各地区に脳のリフレッシュ教室という名前の認知症予防教室を持っています。全地区に教室があるということと、それが原則自主活動であるということ、さらには参加している方たちの脳機能が80%は改善しているということは、この上ない認知症予防活動のモデルたりうると考えています。

S左のグラフは、一番早くから活動を開始した山王島地区の3年前の結果です。
昨年の山王島地区脳のリフレッシュ教室10周年に引き続き、今年は北部地区も10周年を迎えました。

じつは北部地区も3年前のフォローでは全く同じ傾向を示していました。
経過観察ができた人数は10名なのですが、改善8名・維持1名・低下1名。

グラフ化したら、まったく同じになります!すでに高齢者がさらに10年間、脳機能が維持改善しているというのは、やはりすごいですね。

10周年記念の茶話会が開かれ、ご招待を受けましたので喜んで伺いました。
79歳だった方は、89歳になられているし、70歳だった方は、茶話会の後「今年80歳になるんですけど、今日のお話を聞いてまた頑張ろうと思いました」とわざわざ話してくださいました。
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懐かしい話に花が咲きました。「そうそう」とうなずいたり、私のあいまいな記憶をはっきりとしてくださる方がいたり。
テッセン
P1000461こんな昔話も出ました。
「ボケ予防にいいというのでわざわざドリルを買ってきてやったのですが、これで本当にボケ予防ができるのですか?」と聞きに来られた方がいました。

「どう思いますか?」と私は聞きました。

「ドリルばっかりやっても、ちっとも面白くない。こんなことをしていたらボケてしまう」って答えられたのですよね。

「どうしたらボケないでいられると思うのですか?」と重ねて聞いたら

「脳のリフレッシュ教室でみんなと笑ったり歌ったりしていると、なんだかボケないでいられるという自信が出てきます」

「それが正解なんですよ」こういうやり取りも、ちゃんと覚えていてくださって細かく説明を加えてくださいました。

そして、右脳の話で盛り上がりました。
みんな一緒にやる。楽しいことが大切。制作するときは自分らしく自由に。歌って右脳の最たるもの。社会科見学(ちょっと出かけてカフェで一休みも含めて。北部地区だけ年間2回出かけるそうですね)。

いつも協力してくださっている公民館のスタッフが「せっかくですから今日も歌いましょう」とタンバリン片手に声掛けをしてくださいました。
在宅介護支援センターの林所長も楽しそう           手作り歌集
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平均年齢は80歳以上かと思われる皆さんが、何のためらいもなく手作り歌集を開いて大きな声で合唱や輪唱を楽しむ・・・

いいですねえ!
10年間の継続が、こういう生き方を根付かせたのですね。P1000451
でも
「散歩が大切と思って、歩いているんですが、季節になって皆さんが野良仕事に出ていらっしゃると、歩くのが後ろめたくて・・・」こんな声も聞かれます。

「ボケ予防は、自分の問題、家族に迷惑をかけるのが忍びないでは終わりません。
町も国も、高齢者がボケてしまったら、経済的に支えきれないのです。
町や国のためにボケ予防している!その気持ちを持って、胸を張って歩いていただきたいのです」と励ましましたが、多くの高齢者が持っている「遊ぶ時間があったら仕事しなくては」という考え方を、どうすれば根本から変えることができるのでしょうか???


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