今年の実務研修会は9月3~4日、浜松で実施の予定です。
先日の後家楽(ごけらく)は、下松市の保健師さんからの問い合わせから思い出したことを書きました。
講演会会場で発見
大分県日出町のM石保健師さんからも、別件で問い合わせがありました。
ずいぶん久しぶり。
今回の地震のお見舞いをまず言いました。(幸いにも、大分はそんなに被害はないそうです)それから「その後の予防活動はどうなってますか?」と尋ねてみました。
尋ねながら、日出町のスタートはH15年だったことを思い出していました。
実務研修会を受講したばかりのM石保健師さんを励まして、認知症予防教室の立ち上げをお手伝いしたのです。
エイジングライフ研究所では、認知症予防教室が「単なる歌って、遊んでの従来型のデイサービス」とは違って、あくまでも「脳の健康づくりのための実践・学習場所」であることを大切にしています。
その主張の基本を下にまとめてみましょう。
「この新しい集まりが、自分が恐れてやまない認知症予防のためのものであること。
認知症予防のためには、体の健康に注意するように、脳の健康にも注意が必要であること。
体の健診のように、脳もイキイキ度チェックで年齢相応の老化にとどまっているかどうか調べる必要があること。
もし老化が加速していても、早期であれば脳をイキイキと使う生活に変えれば回復が可能であること。
つまりこの教室は脳の健康を守ったり増進したりする脳の使い方を実践する場所であること」
もちろん教室では「脳の機能」についての解説、右脳・左脳・前頭葉の働きなど学んでもらいます。特に認知症予防には右脳と前頭葉がカギ。
自分らしく生きていくために必須の前頭葉の機能。人生を楽しく過ごすための右脳。これらの機能は学んで理解しても、あまり意味はありません。実践こそがその働きなのです。
「右脳を使いましょう」ではなく「歌ってみましょう」「描いてみましょう」「(作品、料理など)作ってみましょう」「ゲームに挑戦」「体も動かしましょう」社会科見学、ボランティアなどなど「やってみた」時に右脳が動きます。その楽しさや充実感を実感してもらって、教室以外の日常生活を活性化するというのが認知症予防教室の目的です。
今ここに並べあげた目的を、参加者の皆さんに納得していただくための王道があります。それが脳機能検査を行うこと。
教室開始時にまず検査。そして一人一人その人の脳機能に合致した生活(改善)指導をします。特に脳機能の低下がみられる場合(老化が加速している場合)には生活を見直して、何をきっかけにナイナイ尽くしの生活が続くようになったか振り返り、教室で右脳や前頭葉を使う意味を再確認します。
そして、教室終了時にも脳機能検査を行い、改善したかどうか、低下していないかどうかチェックし本人に伝えます。
市町村の保健師さんが認知症予防教室を立ち上げて、次に行き詰まるのは自主活動へのつなげ方、他地区への波及方法などです。この「脳機能」というアプローチを持つと「脳は使ってこそ、活性化する」訳ですから、指導がスムーズに行くことが多いのです。
「脳機能」というアプローチを持つ、そのまた近道は前述したように「脳機能検査を教室前後に実施する」ということです。
それで日出町のその後の報告です。
「それが、予防教室が続いているんです。しかも自主活動で何か所も!」M石保健師さんもうれしそうでしたね。
私は「脳機能検査はやっているのね」と確認します。活動が継続していて、しかも自主活動にまでなるとしたら「脳機能検査」をやっている以外考えられませんから。
「はい。やってます」というお返事が聞けました。
そうですか!よく継続してくれました。どんなに多くのお年寄りの脳の健康を守ったことでしょうか。
脳機能検査はその人その人の生活指導に使うものですが、全体を経年的に見ることも事業のまとめとしたら必要なのですよ。