枝を大きくしならせるほどの強風にも負けず、花弁は散りません。
花が散る時はきまっているのでしょうか。
その時の話です。
「自分らしく脳をイキイキと使い続けることが、ボケ予防には最も大切・・・」といいながら、
「ところで、いま『脳を使う』って言ったけど、どういうことが『脳を使う』ことだと思いますか?」という私の確認にかぶせるように
「脳を使うって?」と質問が。
私の答えを書き出しておきましょう。
「講演会などで、『脳を使う』ってどんなことだと思いますかって尋ねると、
1.読む。 2.書く。 3.計算する。 4.仕事する。 5.勉強する。
こういう答えもありました。6.難しいことを考える。」
「これは全部確かに脳を使ってることですが、今日このように桜を楽しめているのは何故でしょうか?」
「椅子に座っていられるのは?」
「おいしく食事が食べられるのは?」
「こうして楽しくおしゃベルができるのはなぜ?」
「言葉の意味がわかるだけで、楽しい会話になるでしょうか?」
ここまで話すと、見事な正答が!
「言葉でいくら楽しいとっても、表情や身振りや声の調子と一致していないと、会話は変なものになってしまう・・・」
そこで私。
「言葉以外の情報は、右脳と前頭葉の連携で表現するし、それを理解するときにも右脳と前頭葉が連携するものです。
つまり会話を楽しんでいる時には、左脳は言葉を、右脳は表情や口調を担当し、その状況を常に前頭葉が見張っている。
脳はクルクル働いています」
「もちろん、桜を見て感動している時もね」
「歩くということは、どのように歩くかを決めるのが前頭葉、実際に全身の筋肉に命令を出すのが運動の脳。前頭葉と運動の脳の連携で歩くことができるわけだから、歩いている間中確実に『脳を使って』ます。読んでるふり、聞いてるふりはできるけど、歩いているふりはできません」
「『よく遊び、よく学べ』といいますね。
遊んでいる時は右脳、学んでいる時は左脳が主に働きます。
得意な領域を決める方が、効率的ですから。
それを前頭葉が司令塔のように見張っている・・・人間だけにある素晴らしい脳の働き方です」
「昔の人は偉いですねえ。右脳左脳の働きを『よく遊び、よく学べ』と一言で表現できたのですから。前頭葉のことも一言で表現していますよ。『十人十色』」