脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

左脳優位ということー東御市のアンケート結果から

2010年09月04日 | かくしゃくヒント

長野県東御市での講演のアンケート結果が届きました。
(担当の佐藤さんありがとうございました)
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認知症Photo_13についてよくわかった人が99%でした。

 

 

 

 

 

内容は非常に有意義だったと答えた人は73%有意義だったと答えた人は27%
全員が有意義と答えてくださったわけで、うれしかったです。

エイジングライフ研究所の講演はいつも好評です。
その理由は、聞かれる方が納得がいく話をするからだろうと思います。納得できる話というのは現実に沿っているということでしょう。

去年、山梨での講演の時も後からアンケート送ってくださったのでブログに「講演報告」としてアップしましたが、その時はPhoto_14 このような結果でした。

 

 

 

 

 

 


今回の講演は教育委員会主催の「生涯学習市民大学講座」での講演でした。

エイジングライフ研究所の講演は、認知症予防活動に頑張っている保健師さんの活動にお役に立てていただくために行います。今回のように主催が違う場合でも、目的は同じです。

アンケートではそのあたりのこともまとめてくださっていました。     
今回の講演を聞いて「脳の健康相談の興味が出た」や
「脳のいきいき度チェックを受けてみたくなった」と言う前向きの意見が多く寄せられた。
一方、「行政でチェックが受けられるようにしてほしい」
「予防教室や交流の場所がほしい」という意見もあり、
現在行政が行っていることの周知徹底が大切だと思われた。

今回のように主催が違う場合は、もちろん事前に保健師さんと話し合います。
保健センターの小山さんとの打ち合わせを行いました。
実は以前から予防教室の自主的な継続活動がなかなか軌道にのらず、どこに原因があるのかと話し合っていたのです。
講演で東御市の認知症予防活動の歴史について解説することになりました。
スライド原稿Photo_16

 

 

 

 

 

 

「住民の皆さんが教室の継続や脳のいきいき度チェックを拒否したのですよ」と言ったときには、会場がちょっとどよめきました。
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「でもそのおかげで、特定検診の時により若い方たちに脳のいきいき度チェックを行って生活指導ができることになりました。このレベルでの働きかけは日本でも他にはほとんどないと思います」と続けると会場からは満足げなムードが漂ってきました。

午後からの講演なので、午前中は懐古園散策2010_0828_084100p1000002_2

 

 

 

 

 

 

継続活動につながらない理由として、どうも住民の方の意識が高いのではないかという印象は当初からありました。
樹齢500年のケヤキ

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東御・佐久小諸といった東信地方の特徴として、勉学に励み自主独立の気風が強いと言われます。
プライドが高く、工夫や努力ができることも特徴の一つとしてあげられることが多いようです。
一方で、このことは遊びや支えあいなどはやや軽視されることにもつながります。
ただ、これからは長い高齢期を過ごさなければいけないのですから、どうしても共助や右脳を重視した生活の重要性にも目を向けていってくださるように期待します。

苔むした石垣2010_0828_093200p1000006_2                      

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閑話休題
主催された中央公民館の関館長とのお話が面白かったのでご報告。
見るからに若々しく(ということは脳も若い!)お見受けしましたので
「公民館の館長先生は先生をなさった方が多いと思いますが・・・」
「僕もそうです」
アジサイにまだ色が2010_0828_092900p1000005_2

 

 

 

 

 



「先生で第二の人生を溌剌と生きられる方は、だいたい音楽、図工、体育、技術、家庭科の先生が多いのです」

「ボクは数学」と笑って答えられます。
しかも校長先生ときました。

めげずに質問。
「先生は、数学の先生にしたらちょっと変わってるって言われましたよね」

またまた笑顔で
「ボクは音楽が好き。それから体育も。どちらも教えたこともあるくらい。大体主要5科目って言葉は何なんだと思ってたよ」

やっぱり!でしょ? 
千曲川遠望2010_0828_100300p1000009_2

 

 

 

 

 

 


もう一つ報告が。

藤村記念館で発見したことです。 
明治29年に町内有志の寄付金で「小諸義塾」が設立されました。
当時、私塾ですよ。いかに勉学重視の土地柄だったかよくわかります。

そこに勉学科目の紹介があったのです。
ちなみに島崎藤村は国語と英語の先生でした。

小諸なる古城のほとり・・・藤村詩碑2010_0828_100200p1000008

 

 

 

 

 



小諸義塾での教育科目

倫理 修身 (前頭葉)
漢文 習字 (左脳、でも習字は右脳)
数学 理科 (左脳)
国語 英語 (左脳)
歴史 地理 (左脳)
図画     (右脳)
体操     (運動脳)
鉱物 植物 (かなり右脳より)
もう一つ図画(右脳!)

当時の社会的要請を考えると、音楽がありませんが、なんとバランスの良い授業でしょう。
脳全体の教育を目指していることが感じられますね。
こもろ寅さん会館2010_0828_112100p1000011

 

 

 

 

 


その後だんだんと左脳重視化していったのでしょうか。
でも、その結果が私の講演で100%の理解を示してくださったことにつながったと考えると、ちょっと困ってしまいます。
でも、まずは理解しなくてはことは進みません。感情のままに突っ走ると、継続することが難しくなる場合がよくあります。
東御市の皆さんは理解なさったところから、具体的に生活を見直されて、より豊かな第二の人生を過ごしていただきたいと思います。


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