小布施に行きました。
平成14年から各地区に認知症予防教室「脳のリフレッシュ教室」を立ち上げてきましたが、もうあと二地区を残すまでになりました。
今回は、「中町・中央」地区ということです。
会場の公会堂ですが、まだ新しいのに、これなら町並みに溶け込んでいるに違いないという印象をもたれるでしょう。
小布施町は、町並みを整えることを「修景」といいます。
立ち退きを前提とした再開発を行って「昔風」の建物群を作るのではなく、元来小布施の町に作られていた建物を素材から分析検討し、さらに技術の伝承も視野に入れて、新しい生活と観光が両立するような街づくりが行われています。
例えば壁なら千曲川の川砂が何%、田土が何%などの材料チェックから始まって製造工程の調査も行われた上で「小布施の土壁の色」が決定されているのです。
今回の小布施便りは、そんな小布施の魅力の一端をお知らせしたいと思います。
小布施名物栗。栗の実の赤ちゃん 小布施ワイナリーも有名
修景事業の音頭を取った小布施堂(栗菓子で有名) お酒屋さんでもあります
観光の町町民意識の表れ? 行政主導のオープンガーデンでも有名
小布施は町がとても魅力的です。
いろいろな条件が重なってこんな素敵な街になったのですが、カギはやはり「人々」
とくに先駆的な取り組みができるタイプの人たちに恵まれたのではないかと思っています。前例を踏襲するときには、ほとんど前頭葉の働く余地はありません。望ましい将来像を明確にイメージする力や豊かな発想は、まさに前頭葉の出番ですから。柔軟な前頭葉をお持ちの方に恵まれたと言い換えてもいいでしょう。
そしてまた、人が生活するときには、前頭葉が手綱を取ります。同じように、町であれグループであれ組織が活動するときにも、強力なリーダー役ができる人が必須です。そのリーダーは組織の前頭葉とも言えますね。
小布施町がどの方向に進めばいいのかのかじ取りができる(前頭葉が豊かな)リーダーに恵まれたということです。
私は小布施に行くと、ゲストハウスに泊まります。
ゲストハウスのフロントは「ア・ラ小布施」という観光案内所でもあり、町の人たちのためのコーヒーショップでもあります。
チェックインをしていると、となりで楽しそうに談笑されている方のおしゃれなこと!着物地を大胆に生かしたベスト。またコーディネートも素敵です。
お話を伺ってみるとおぶせミュージアム中島千波館前館長をなさってた方で、以前お会いしたこともありました。
4年前に奥様に先立たれおひとり暮らしとか。
普通はここで危険信号がパッと付きますね。
さらにお仕事も退職なさった。世間ではこんな時危険信号がいくつも点滅すると思われてます。「おばあさんに死に別れたおじいさんはボケる」というのが世間の通り相場ですから。
こんなおしゃれができて、昼間から喫茶店でお茶を楽しんで・・・ボケるかどうかは生き方の問題ですから、男性の一人暮らしでも生き方がいい人はボケないものなのです。
生きがいを持っていることも必須条件ですから「今のお楽しみ事は?」とお尋ねしたら
「新生病院のボランティアの世話人をしています。何かと忙しい毎日で」と呵々大笑。ホラネッ!
道端で草取りをしていたおばあさん。95歳と言われました。「昔は、たいそうな家でも花を育てたりはせんかった。娘はだいたい製糸工場に行って働いたもんだ。でも今はみな花をうえる。それならちょっと草でも取ってきれいにしてやらにゃあ。テレビばっかりみてたらもったいないでね」こんな人たちも小布施の町を育てています。