脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

新年度が始まりました 積極的に認知症予防を!

2010年04月04日 | 二段階方式って?

今年は、4月に伊豆高原に雪が降るほど寒かったり、20度を超すほど暑かったりしているうちにサクラのシーズンも終わりを迎えそうです。2010032710390000
しばらくご無沙汰しているうちに、世の中は新しい年度に入りましたね。
あちこちの保健師さんたちのお顔が目に浮かびます。
皆さんの異動はなかったのでしょうか?
異動なさった方は、前頭葉をフル回転させて、新しい環境で頑張ってください。

 

新年度ということでちょっと堅い話をさせてください。Photo_2

このような数字は、皆さんの頭の中に叩き込まれているのでしょうか?

保健師さんの多くは、「目の前のこの人のためにしてあげられることは何なのか」ということを必死になって考え、探して・・・そのような姿勢で仕事をされている方が多いように思います。

 

 

 

この表は、木曽郡広域連合での去年後半の介護認定者の数です。

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この表を送っていただいた経緯をお話しします。
先日伺った木曽町での講演会の折に、山田保健福祉課長さんがご挨拶なさいました。
「木曽町の人口は13,300人。65歳以上の高齢者は4500人で高齢化率は33.8%。現在介護保険の認定を受けている方は800人です。
木曽郡広域連合での、直近半年間での新規認定者は169人。そのうち認知症は53人31%です」
うかがいながら詳しい数字が知りたいと思ったものですから、送っていただきました。

表の右側の方、認知症以外の疾患でも、もちろん予防を心がけなくてはいけないものはありますし、予防が功を奏するものもあるでしょう。でも、病気やけがは不可避の部分もありますね。

2010032711440000認知症について考えてみてください。
(認知症については、種類や介護度認定が低く出るなどの問題がありますが、そこは今回は置いておきます)
介護度が上がるほど、当然必要な金額も高くなっていきますが、突然介護度が高くなるのでしょうか!

認知症というのは、「正常だった人が次第に社会生活や家庭生活に支障をきたす様になった状態」というのが定義ですから、現在たとえ大ボケであったとしても、さかのぼれば必ず正常に社会生活を営んでいた時があるものなのです。

この表を見て、いろいろんばことが頭をよぎります。
重度化する前に相談するシステム作りがいること。
少なくとも、生活習慣で支えられる認知症(それが大部分!)にはさせないこと。

各地で実施されている認知症予防教室では、うまくいった場合には参加者全員が脳機能の維持や改善が可能なこと、低下をきたす場合は個人的な事情(病気や家族間での問題など)の影響が大きく例外的なのです。
つまり認知症予防教室の試みをもっと、もっと徹底させなくてはいけません。
それは同時に財政面からも有効で、教室一か所を開催するのにかかる経費を試算してみてください。参加者お一人が介護認定を受けずにすんだら生み出せる金額くらいなものですから。2010032711440001_2

「元気で長生き」
それは体だけではなくて、脳も元気でなくては意味がありません。

「脳の健康」を指導する立場にある保健師さんたちに期待されるものは大きいです。

 


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