脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

遅ればせの豊後大野便り 教室改善率89.7%

2009年01月08日 | 二段階方式って?

たくさん花が咲きましたP1000001                  気になりながら、年末年始の雑用に追われて、去年12月に伺った豊後大野市の活動報告ができませんでした。

豊後大野市も合併してできた町です。清川・緒方・朝地・大野・千歳・犬飼そして三重町。すでに三重町と千歳村が二段階方式を導入していたので、豊後大野市全体でも取り組むことが決まり、いっせいにレベルアップを図るということでエイジングライフ研究所としては初めての出張実務研修会を行いました。それが平成19年。                    花茎が5本あるのですが P1000002

去年は、緒方と犬飼で講演会を実施しました。平成20年2月の豊後大野市での記録を今読み返して見ました。

皆さんも読んでみてください。
二段階方式を今ひとつ使いこなせていないのではないかという、私が受けた印象が、なんとなく伝わってくると思いますがどうでしょうか?

もちろん、やる気を見せてくださった保健師さんも何人もいらっしゃったのですよ。でも、あんまり質問もこないし・・・

講演前に担当のK斐保健師さんから、いつものようにやや遠慮っぽく
「できれば、17日講演会後に認知症予防教室等の振り返りをみてもらえたらと、思います」という申し出があり、もちろんOKの返事を差し上げました。

「その勉強会をすると、飛行機の最終便に乗れないから後泊しましょうね」という私の返事に対して、遠慮っぽいK斐保健師さんには珍しく
「ぜひお願いします」

「ウーン。何か問題があるのかなあ・・・午後の勉強会で解消してあげられるといいんだけど・・・」と私は考えていました。
期待のカトレアP1000023                  
講演会後の勉強会。

3教室の成績一覧が用意されていました。そこで私は予想を大きく裏切られることとなりました。

まだフォローの途中でしたが、改善率の高いこと!

何よりうれしかったのが、去年と違って、関係者が自分のやった事業という実感を持っていらっしゃること。

また、二段階方式のデータが、皆さんの共通理解の物差しになっていること。
だから個別ケースの解説になると盛り上がりました。特に脳機能と生活実態が一致していくことを改めて納得してくださったようですが、それは生活実態をよく把握されていることの裏返しでもあります。
そして個別ケースについての話が深まりました。

一覧を眺めながら
①「この方が別人のように元気になられましたね」などというと、担当された方々が、うれしそうに深くうなずかれたこと。

②「すごい。この人は立派なリーダーですね」というと「最初からすごかったですが、どんどん元気になりました」こういうやり取りを楽しめたこと。

指摘はちっとも難しいことではありません。
①は小ボケレベルから正常域に復活した場合。
②はもともと正常だった方の成績がさらに向上した場合。

具体的に見てみましょう。
A教室7名だけのフォローですが、改善5名・維持2名。有効率100%でした。
①の方は一度目のかなひろい1.4→二度目のかなひろい12.9
②の方は一度目のかなひろい44→二度目のかなひろい54.6(なんと80歳!どんな方が目に見えるようです)

平成21年1月1日の一こまP1000013
B教室改善3名・維持3名・低下2名。有効率75%。
やや改善率が低いということで、お話を聞くと地域性もあり、リーダーの問題もありということがわかりました。

当初、リーダーらしい役割を務めた方のかなひろい10.3ですから、やりにくかったのは当然です。
どんなに立派な前歴があっても、どんなに立派な発言をされても、「小ボケのリーダーには要注意」は鉄則です。

C教室。改善11名・維持2名・低下1名。有効率92.9%。
①に相当する人は5.4→16.4 7.9→17.6
②に相当する人は20.9→54.6(74歳) 21.9→40.1(75歳) 11.5→34.8(71歳) P1000054

こうして記録していくと、勉強会の熱気が伝えられないことがもどかしくなるのですが、二段階方式の手技は、その人の生活を理解するものさしであり、またそのものさしを共有できるということを改めて実感しています。

(それと客観的に評価できるというメリットもありますね。なかなか保健予防活動の成果を評価することは難しいのですが、二段階方式では、簡単に行えます!)

そこにいたるまでには、全市一斉の実務研修会から始まって、1年目の講演会と教室開催だけでは不足・・・
2年目になり、一応各地区での教室が実施される必要があったのですね。

特筆すべきことがひとつあります。
エイジングライフ研究所が強調するように、ボケ予防教室での保健師さんの立場は、脳機能テスト及びそれに基づいた生活指導担当です。

教室のカリキュラムの実施には、他のレク指導の方を用意すべきです。
この点も豊後大野市は配慮があって、養成中の介護予防リーダーはもちろんですが、NPO法人にこにこフィットネス協会の指導者の方々の協力を仰いでいました。(委託事業として、有償です)
お二人参加されていましたが、一人一人の方に対する理解が深く感心しました。私の指摘に最も驚いたのが、そのおひとりのN森さんでしたね。

もう少し豊後大野のことを報告したいと思いますので。以下次号

 


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