きのうの記事「帰省ドライブ&観光の2日目は超満足」で「予告」しましたように、他の遠征記が手つかずになっている中、きのうの小坂での見聞録を書きます。
東北道・小坂ICから樹海ラインを10分ほど走り、案内板に従って交差点を左折すると、、、
ズラリと並ぶ幟 そして、
おぉ~、康楽館だ
そしてそして、駐車場を探そうとすると、すぐ目の前に小坂鉱山事務所
気分は一気に盛り上がります
ちょっと気分を落ち着けてから、観光を開始したのですが、実際に観た順番と変えて、康楽館の紹介から始めましょう。
康楽館は、小坂鉱山の厚生施設として、小坂鉱山の運営会社・藤田組(DOWAホールディングスの前身)が建てた「多目的ホール」で、落成は明治43年(1910)といいますから、100年を超える歴史を持つ劇場です。
そして、2002年には国の重要文化財の指定を受けているんですが、現役の劇場として使われているのがお見事
私が一関を出発するとき、クルマのナビをセットしようと、「娯楽施設⇒秋田県」と選択すると、「わらび劇場」とこの康楽館の2か所しか出てきませんでした
それはともかく、香川・琴平の旧金毘羅大芝居(金丸座)(訪問記はこちらとこちら)と同様、毎年、本物の歌舞伎が上演されるだけでなく、いわゆる「大衆演劇」が毎日上演されているってのが凄い
これほど交通の便の悪い劇場で興行が成り立つのか不思議ではあります。
きのうも、施設見学のタイミング(公演の合間に実施)を見計らって劇場の外で待っておりますと、芝居がはねたらしく、役者さんたちが出入口がでてきます。
どうしたんだろうと思っていると、観客の皆さんのお見送りでした
お客さん一人一人と握手したり、記念撮影に応じたりと、サービス満点ですねぇ
さて、お見送りが終わると施設見学の始まりです
黒子さんが見物客を案内してくれました。
まずは2階の客席から。
外観は下見板張りの白ペンキ塗りで「なんとなく洋風」ですが、内部は畳敷きで花道のある昔ながらの芝居小屋でした。
ただし、天井は白ペンキを塗った板張りで、「なんとなく洋風」。
すっぽんとか回り舞台は、旧金毘羅大芝居(金丸座)と同様に人力で動かしていて(必ず一公演一回はすっぽんと回り舞台を使っているんだそうな)、この辺は琴平で見聞済み
唯一電動に頼っているのは、緞帳の上げ下げだとか。
ちなみに康楽館の緞帳の原画は、地元・小坂町出身の画家・福田豊四郎の「樹氷」(秋田県立近代美術館蔵)だそうです。
施設見学で一番面白かったのは、楽屋に残されている出演者たちの落書きでした。
例えば、坂東玉三郎丈のとか(この公演のときのものだと思う)、
高倉健さんのニセ者のものとか(健さんは康楽館に来たことはない)・・・。
わたし的には、落語家の落書きが目を惹いて、桂文珍(2013年11月)、三遊亭圓楽(2010年11月)、林家木久扇(2008年10月)とか、へぇ~、ほぉ~の連発でした。
そんな中で、こちら
柳家花緑さんの「自画像」、似てるなぁ~、よく描けてるなぁ~
ちなみに、康楽館が重要文化財に指定されて以降は、文化財保護の観点から、建物本体への落書きは禁止されていて、「落書き需要」に応えるべく、専用の板を用意しているのだそうです。
上に載せた落書き、地の木材が新しいのはそんな理由によります。
ところで、康楽館には冷房設備がありません
今のような季節はどうしているかといいますと、、、
外に大型の冷房装置を据えて、ダクトで冷気を館内に引き込んでいました。
重要文化財ともなればいろいろ大変だ…
そうそう、屋根の上にある換気塔、屋根の峰と45度曲げて設置されています。
明治村で見た「日本赤十字社中央病院病棟」(記事はこちら)を思い出しました。
かなり長い記事になってしまいましたので、小坂鉱山事務所ほかのことは稿を改めます。