ピンポ~ン
「忠正さん、おるかー」
留守の時、トラの世話して下さったオバちゃんの声。
玄関戸を開けたらオバちゃんが野菜を持ってきて下さった。
「トラちゃんに手を合わせに来たよ」。
オバちゃんは一週間ごとにきてくださっている。
オバちゃんは今年83歳、母の大切なお友達。
7月、オバちゃんの家に居たニャンコも旅立った。
17年間、家族として暮らしていた三毛ちゃん。
想い出話をしていたら、互いに泣いてしまった。
きれいに洗い、逆さにして天日干し。
オバちゃんから頂いた白菜と人参、
前々から作ってみたいと考えていたキムチ、
まずは下ごしらえから、と始めた。
かるく塩をまぶし水抜きをし、しぼってから天日にさらした。
大切に保存してあったシラス、味付けのアクセントとして加えた。
すこし甘みも欲しくてハチミツも少々。
まずまずの出来の自家製キムチ、
干しシラスも柔らかくなり抜群の味わいになった。
夜、酒の肴に自家製キムチ、上出来。
少しづつ大切に食べて来た干しシラス、
まだ少し残っているので、再度キムチに使おう。
「なあ、トラちゃん」と、
横のイスに手をやっても触れるものがない。
なさけないなぁ、またこみ上げてきた。