創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

母にはかなわぬ

2011年06月20日 | 日記

北陸地方、特に小松は大雨も降らず湿気も少なく、
ここしばらく、大鉢を作りながら粘土の調整を行ってきたが、
大鉢も順調に乾燥がすすみ、素焼きの段階へと入った。

私が使っている窯はガス窯、大小の窯を使い分けて作品を焼いている。
今回の窯焚き、大きな鉢を焼かねばならず、念には念を入れ大窯を使うことにした。

早朝から窯に火を入れ、ゆっくりゆっくりと温度を上げていった。
急激な温度変化さえなければ、素焼きは上手く出来る。
が、大きな作品となると、かなり神経を使う。

ガスが切れないように準備し、時折温度を確かめればと、
実家の畑の玉葱収穫に出かけた。

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   実家の畑

午前中は窯の温度が安定しないので、
温度もガス供給も順調になる午後から収穫に行くから、と前日母に伝えた。
昼食を済ませ、窯の状態を確かめ、いざ畑へ。

何と! 玉葱すべてが抜いてあり、おまけに根っこまで切ってあるではないか。
地面にガッシリと根を張っている玉葱、それを一つ一つ母が抜いた?
私でさえ玉葱を抜くのは力を込めなければならないのに、
大腿骨骨折や膝を故障している母が、この玉葱を全部抜いたとは。

Photo_6

  成長している
  ジャガイモ



   玉ねぎ

無理して支障が出なければと思っていたところに母がやってきた。
「 昨日から少しずつ抜いたよ、」と母。 
「 俺がやるからと言うたのに、何で・・・」と口から文句が出そうになったが、黙った。

Photo_5

   結んだ玉葱

母が抜いてくれたお陰で、後は絡げる(からげる)作業だけすればよい。
玉葱を一箇所に集め、母が長さを切りそろえ、私が数個ずつまとめて結んでいく、
その作業を行いつつ、窯の状態を確かめに工房まで自転車で。

そのような繰り返しを行いつつ、今年の玉葱の収穫は無事終了。
冬の大雪で、今年の玉葱はすべて小ぶり。 収穫も去年より4~5日遅れた。
年々弱ってきた母、ニンニクを植えるのを止めたいと昨秋言ったので、
今年は無臭ニンニクも普通のニンニクも無し。 これまで頑張ってくれたので十分。

雨が降る前にすべてを運び、我が家のいたるところに吊るし自然乾燥。
実家ではそれ程食べないのでと、必要な分だけを実家のひさしに吊るして完了。

すべての作業を急いで済ませ、
窯の状態、温度を確かめて、いつもの歩きの運動に出かけた。

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    ピンクの小花

梅雨の今、どういう訳か雨は降らないが日が落ちるのが遅くなってきた。
午後6時でも、まだ十分に明るい。 窯を焚いているので堤防に行くのをやめ、
町内をぐるぐると回って歩いた。

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   タイツリ草

沢山の花のある家、花も木も何も無い家、60軒余りの町内だが、
それぞれの家には住む人々の趣向が分かるから面白い。
美しい家だが、花も庭木も無い家に住む人の心ってどんなものだろう、
そんなことを思いつつ、小一時間歩いた。

Photo_2

   金茶花

もう随分前から街路樹の一つとして、この花が見られるようになった。
それ程大きくも無いが、何となく華やかな感じがする。
金茶花、確かそのように記憶しているが、正式名は分からない。

Photo

   チコリア

午後から行った玉葱の収穫、母が前もって下仕事をしてくれたお陰で早く片付き、
夕刻の歩きが終わった頃も明るく、我が家の畑にはチコリアの花が満開となっていた。
春先にアルマンド神父が分けてくれたチコリア、柔らかだった葉も硬くなり、
もうサラダでは食べられないが、冬を迎える頃には再び軟らかくなるだろう。

さあ、素焼き窯の温度も順調に上がってきたことだし、
あとは火頼みで窯の管理をしなくては。


コメント (4)
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