創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

酒盃

2009年02月15日 | 日記

いつものことだが、あと少しで個展、という時になって作品の構想が次々と湧いてくる。
もっと早くアイデアが浮かんでくれれば焦ることもなかろうに、といつも思ってしまう。

酒、アルコール類はとても好きだが、実のところアルコールに弱い私。
アルコールを分解する酵素が無いのか足りないのか、ほんの少しで酔っ払ってしまう。
しかし、どういう訳か種々の飲み物の良し悪しが分かるから不思議。

今月に入ってから日本酒を飲む機会が増えてきた。
うまい酒、反面これはどうも、と思ってしまう酒、その時々で種々の銘柄をいただくが、
酒の味も大切だが、器が気になってしょうがない。  特に外で飲む時にそれを感じてしまう。
せっかくの芳醇な酒が、つまらない器で味が半減してしまっている。

表現はよろしくないが、大酒飲みではないので、
せめて持つ手に馴染み、うまい酒が更に美味くなる器をと思い、作ってみた。

Photo

   輪花盃
  

スッキリとした輪花盃、少し深めに作り、ぐい呑みとは一味異なった趣に仕上げてみた。
最初に見本を一個作り、乾いた段階で唇に当て違和感があるか確かめてみた。
輪花の部分が邪魔をするようにも見えるが、うまい具合にピッタリと唇に当たってくれた。

構想では白磁で焼き上げてみたいと思っている。
五輪花、六輪花と二種作り、温かみのある白磁に仕上がればと願っている。
味わい深い酒類ならば、あえて何を呑む時に使えばいいかと迷わなくても充分に耐えうる器、
そう思い作り上げた。

Photo_2

     盃類

大物を作りつつ、ぐい呑み、盃の事も考えていて、ようやく何種類か作りあげた。
小さな作品だが、とても気を遣う作品でもある。
うまい酒が一段も二段も美味く感じるようにと思いを込めた。

コップ酒もたまにはいいが、良い器は至福のひと時を与えてくれるに違いない。
ひとりで呑む時も、気の置けない人と呑む時も、この器ならばピッタリ、そう思っている。

向こうの盃にはサラッとした文様を彫りこんでみようと思う。
アルコール類を入れたとき、ふわっと浮かび上がる文様が似合うはず。
心を休めてくれ、楽しいひと時を醸しだせるような作品になるよう、心込めよう。


コメント
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