オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

朝比奈隆の素晴らしいハイドン。

2010年06月16日 10時23分15秒 | 朝比奈 隆(生誕100年記念)
ハイドン 交響曲第92番ト長調「オックスフォード」 (1971年録音)
ハイドン 交響曲第99番変ホ長調          (1975年録音) 

朝比奈隆指揮ベルリン放送交響楽団(現 ベルリン・ドイツ交響楽団)

輸入盤 WEITBLICK SSS0106-2

本当に素晴らしいハイドンである。
もし、この録音を指揮者の名前を伏せて聴いたら、朝比奈隆の指揮であるという事を言い当てることは出来ないでしょう。私もおそらく、当てることは出来ない。一瞬「ワルターか!」と思った位である。その位、朝比奈隆のブルックナーやベートーヴェンの演奏から考えれないほど美しく格調高い演奏である。最高のハイドン。いずれも1970年代、ベルリンでの放送用のスタジオ録音である。
まず「オックスフォード」である。私はこの作品が好きでベーム指揮ウィーンフィル盤を愛聴していましたが、朝比奈盤の登場でベーム盤とオサラバである。私にとって朝比奈盤がベーム盤より上という事になってしまったと言う事なのである。ベームのファンでもある私が、そう感じたのだから、これは大変な事なのである。
第1楽章の序奏で弦がゆっくりとしたテンポでの美しいメロディを聴いてだけで、もう決まり!である。全曲、見事に歌い込まれており、指揮者の心の中の乱舞が見事のオケに乗り移っている。この頃の、このオケの指揮者はロリン・マゼールだったはず。ベルリンフィルの陰に隠れていましたが、たいへんなレベルであったことがうかがえます。
そして第99番。心に浸みてくる。特に第1楽章のいじらしいほどの歌わせ方!そして気品、格調の高さ。こんな朝比奈隆の演奏、初めて聴きました。
この2曲のハイドンの録音、いずれも1970年代の録音である。この頃から朝比奈隆がブルックナーの交響曲を積極的に取り組みだしましたが、我が国では、まだ一部のファンしか認知されていなかった頃に、ドイツで、こんな素晴らしい演奏していたとは!この時すでに朝比奈隆は大指揮者だったのだ。
朝比奈隆のファンは他の音楽ファンから見てどう写っているのだろうか?音楽評論家の宇野功芳氏に踊らされているタチの悪い音楽ファンと思われているのであろう。私自身も最近、そう見られているのではないか?と迷いが出て苦しみましたが、今回、このハイドンを聴いて、そんな迷いはぶっ飛んでしまいました。心から、この約30年余り、この指揮者を聴き続けてきて本当に良かった!と心から思いました。
一人の演奏家と出会い、一時期のブームに流されることなく長年聴き続けることの大切さ、喜びを今回のハイドンのCDで本当に痛感しました。
このハイドンの録音、朝比奈隆に対して偏見がある方には、ぜひ聴いて欲しいものです。いかに彼が素晴らしい指揮者だったのか分かって欲しい。
昨年の暮、ベートーヴェンの「英雄」のベルリンでのライブの録音も登場しましたが、まだまだヨーロッパでのお宝録音があるのだろうか?あるのならば早く聴いてみたいものである。

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