オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

朝比奈隆と私。

2010年04月28日 17時05分11秒 | 朝比奈 隆(生誕100年記念)
今日は公休日。今日は、ぜがひともブルックナーの交響曲第8番を聴かねばと思っていた。
ブルックナーの8番を聴く時は本当に胸が高まる気持ちを迎えることが出来ない。まさにブルックナーの作品の中で最高峰と言ってよいでしょう。
私のCD棚には、いろいろと第8番のCDが並んでいる。私はブルックナーの第8番のベストワンを挙げることが出来ない。クナッパーツブッシュも、シューリヒトも、そして朝比奈隆やヴァントも最高なのである。節操のない人間と笑われてもしかたがありません。

さて今日はいろいろあったので朝比奈隆の1976年8月録音のジャンジャン盤を聴き直しました。
1976年の録音の演奏は、現在の我が国のオケのレベルから見ると、へたくそである。こんなものを聴いて喜んでいるとは私の頭の中はどうなっているのかと言われてもしかたがありません。第1楽章や第2楽章は特にである。
しかし第3楽章、第4楽章となると物凄い盛り上がりで、8番を聴く醍醐味を見事に味あわせてくれます。この時、朝比奈隆はまだ60歳代後半である。晩年の演奏では見られない気迫と時には踏み外しもありますが、それでも行き着くところはブルックナーの音楽の素晴らしさである。この時から既に最高のブルックナーを聴かせてくれる指揮者だったと言い切らせていただきます。
次の休みには、死の年の2001年、朝比奈隆93歳の録音を聴き直してみるつもりである。
やはりクラシック音楽を聴く面白さは「聴きくらべ」にあると思う。

さて人それぞれ、いろいろな音楽の聴き方、CDの集め方があると思います。
①往年の名演奏家の録音を聴いて思いを馳せる。時代の古さを感じさせない演奏に感動する。
②今、現役の演奏家の中で、この人と決めて聴き続ける。
③作曲家や作品へのこだわり
その他いろいろ。

私がクラシック音楽を聞きはじめた時は既にクナパーツブッシュやワルターは故人でした。
私にとって①に該当するでしょう。③は私にとってはヴェルディのオペラやグラズノフの作品への思いが該当するでしょう。
そして私にとって②に該当するのが朝比奈隆である。私が初めて朝比奈隆の演奏を聴いたのは1976年である。そして2001年死去する25年間、聴くことが途絶えることは無かった。
ちょうど70年代、朝比奈隆がブルックナーの交響曲に本格的に取り組み始めた頃から晩年のブルックナーの最高の境地に達した演奏を聴かせた時まで、大げさな言い方ですが一緒に齢を重ねることが出来たということは本当に幸せだったと思います。
だから私にとって何と言われても朝比奈隆は大きな存在であり、いろいろ悩みましたが、やはり今後も変わることは無いというのが、やはり結論です。
70年代、けっして演奏レベルの高くないオケを相手にブルックナーやベートーヴェンを指揮している録音も、大切に聴いていきたい。それは私が70年代にクラシック音楽に向き合っていた大きな証であるからです。そして80年代、90年代も同様です。
私がクラシック音楽に向き合っている限り朝比奈隆の存在があると言って良いでしょう。

最後に、今回、朝比奈隆のことを熱を込めて書き込みましたが、誤解を受けたくないのですが朝比奈隆の録音があれば、他の指揮者の録音はいらないと思っていることは絶対に無いと言わせていただきます。それなりの柔軟性を持っているつもりです。


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